2008年08月17日

初めての味は「ジントニック」

さて・・・・・・。
本来「Jackpot Story」は「相身互いの“客”」の続き((其の陸)〜)を書かねばならぬところであるが、この辺りから私の“病状”が徐々に進んできて到底お目に掛けられぬ場面も多く出てくる。その状況を鑑み、以降は「〜〜Story」というカテゴリであっても通しで書くのでは無く、印象深い場面を切り取って書くことに致そうと思うのでご容赦を。

先ずは、8月の帰国時の話からご紹介を致そう。

その前の7月の帰国時、私はそれ迄全くカクテルを作ることが無かったバイト君のHaちゃんに
「次は来月来るから、そのときは何か飲ませなさいヨ」
と言い置いていったものであった。Haちゃんも、不承不承
「はい」
と応えたのが、酔っ払いの身にもはっきりと分かった。さてさて、次回此処に来たときには何を飲ませて貰えるのだろうか、と期待半分、不安半分でドアを出たものである。

そして翌月。

海側の入口から入ると、店内には店長I君とHaちゃんが居た。すっと土産の包みを出すと
「Haちゃん、一寸」
と、手招きをする。
「I君は昨日『グラン』で食べただろうから、I君抜きで分けて良いから」
「俺、食べてないですよ」
「そう?だって昨日『グラン』に居たじゃん」
「○○さんより早く帰ったじゃないですか、俺」
「そうだっけ?」
「そうですよ。○○さん、最後迄居たでしょ?」
「まぁ、ね」
このやり取りの最中、Haちゃんはカウンターの中に移動した。

「さて、Haちゃん」
「はい?」
「何か出来るようになった?」
「はぁ・・・・・・まぁ・・・・・・」
ここでHaちゃんの背後に居たI君が口を挟む。
「大丈夫ですよ。メニューにある奴なら」
「ふーん。じゃ、何頼もうか」
Haちゃん、不安そうな顔をする。
「じゃあ、さ。この中で一番得意なのは、何?」
「得意というか・・・・・・やっぱり「ジントニック」でしょうか?」
「そう。じゃ、それ頂戴」
「畏まりました」
ふと気が付くと、テラス席であれこれと作業をしていたEちゃんが店内に戻って来ており、心配そうな顔でHaちゃんの隣に付く。
「ジン、45(ml)だっけ?」
「そうです。あとはライムと、トニック(ウォーター)と・・・・・・」
確認終了。
Haちゃん、不安そうな顔のまま、メイキングの場所へと向かう。メジャーカップでジンを慎重に測り、トニックウォーターを手が震えんばかりに注ぐ。

Haちゃん作「ジントニック」・・・・・・という訳で、これがHaちゃんが作った「ジントニック」である。
こういうときに作られたカクテルは、それそのものの味よりも遥かに美味さが勝るかの如き思いがする。増して、実際の味がそこそこ美味いものであれば尚更である。
ひと口飲むと
「どうですか?」
と、相も変わらず不安そうな顔つきで聞いてくる。
「うん、美味しいよ」
と応えると、漸く緊張が解けたような笑顔を向ける。
これがまた、良いのだ。

尤も、翌日似た様なシチュエーションでHaちゃんに「カシス・ソーダ」を注文し、前日と同じように美味いと褒めると、すかさずそこに居たTさん(前日は休みであった)が
「でも○○さん、アタシが同じもの作ったら甘いって文句言うでしょ?」
「だよね。自分で注文しといてね」
「そうそう」
posted by daydreamer at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | Jackpot Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。