2008年11月10日

真昼の太陽(其の伍)

魚料理を食す間に、白ワインも無くなった。というよりも、美味いソースを肴にしてワインを飲み干してしまったと言う方が正解であろう。
「お飲み物はどうなさいますか?」
この後の料理は(口直しのグラニテはさておいて)肉料理とチーズである。ならば、赤ワインの方が良かろう。
「じゃ、済みませんけど赤ワインで軽めのものを何か」
「軽めのもの・・・・・・でしたら、今お勧めのワインなど如何ですか?割と飲み易いですよ」
「じゃ、それを」
「畏まりました」
赤ワインこのやり取りの後で運ばれて来たワインが画像のものである。白ワインのときもそうであったが、赤ワインが運ばれて来たときもボトルを見せて貰ってワインの説明を受けた様な気がする。が、当の本人がまるで理解する気になっていないのであるから何を聞いても耳を素通りするばかりである。
ひと口飲み、ボソリと呟く。
「やっぱりこれくらいのワインが良いよなぁ・・・・・・」
「余り重いものはお好みでは無いですか?」
「食事のときは、ですね。重いワインは余り得意じゃないですけど、飲むんならワインそのものを楽しむのが良さそうでしょ?」
「そうですね。私も料理に合わせるんならこれ位のワインが好きです」
「あらら、ご同様ですね」

グラニテさて、次なる料理は口直しの「みかんのグラニテ」である。
「出水のみかんのグラニテです」
「出水・・・・・・ですか」
「はい」
「ウチ・・・・・・元は水俣なんですよね。だからよく行きましたっけね・・・・・・出水」
「あぁ、お隣ですもんね」
「そうなんですよね」
「出水には鶴をよく見に行きましたよ。あんなに触れそうな位近くで鶴が見られるところはそうは無いですもんね」
「ま、本当に触ったら突付かれるでしょうけどね」
グラニテ自体はみかんの甘味と酸味がよく効いているさっぱりしたもので、これをデザートとして頂いても良いかな、と思った位のものであった。

肉料理サラダグラニテは、すぐに食し終わってしまった。次の料理はいよいよメインの肉料理「フランス産仔鳩のロティとフォアグラのコロッケ マデラ酒のソース」と「サラダ」である。
「仔鳩はフランスのものです。サラダには上柿元オリジナルの胡麻のドレッシングをかけてあります」
仔鳩は骨付き(但しごく細いもの)であった。その為か、フィンガーボウルがセットされた。が、ナイフを入れると、スッととはいかぬ迄も骨から肉は容易に外れた。
やや大きめのひと口大に切り、口に運ぶ。流石にこの鳩は味が濃い。
「肉の匂いは大丈夫ですか?」
傍らの女性スタッフが心配そうに訊く。
「別に気にならないですけど?」
「いえ、私も気にならないんですけど、鳩だと肉が臭いって言われることがあるものですから」
「ああ、確かに慣れないと独特の匂いが臭みに感じるんでしょうね」
「そうかもしれませんね」
フォアグラのコロッケはじゃがいもが一緒に使ってあったようで、馴染んだ味と食感がより食べ易さを出していた。酸味の聞いたドレッシングで食すサラダも野菜が新鮮である故か更にさっぱりと食すことが出来、ともすると重くなりがちなしっかりした味わいの肉料理の後味を口中から清めてくれるかの如くであった。

「こちらは何で知ったんですか?」
食事がひと段落ついたところでこの問いが傍らより発せられた。
「えっと、六本木であった『Happy Aperitif』ってイベントでアミューズを頂いて、それが結構美味しかったんでこちらにも興味を持ったんですよね」
「あ、あのイベントですね」
「そうそう、Yさん、率先してパンフレット配ってましたっけ」
「そう言えば、あのときYさんパンフレット山程持ってったんですよ。「東京でも此処のこと広めてくるんだ」って」
「そうなんですか」
「結構張り切ってましたよ」
「へぇ。あ、そう言えばですね」
「はい」
「ムッシュのブース、結構好評だったんですよ。えーっと、三國清三さんってシェフ、ご存知です?」
「はい、あの有名な方ですね」
「そう。で、実はね、イベントの途中で“完売”してブース閉めちゃったのは三國シェフのところとムッシュんトコだけだったんですよ」
「そうなんですか!」
「そうなんです。私も4種類出てるうちの3つを食べて、んじゃ一寸飲み物でも、ってカクテルのブースに行って、さて、もうひとつのムッシュの料理を取りに・・・・・・あれ?ってな感じで食べはぐっちゃったんですよね」
posted by daydreamer at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 鹿児島散策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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