2008年11月19日

兵士の手紙ときよしこの夜(其の弐)

「知覧武家屋敷群」より歩き始めて程近く。
幾人もの人が、道路沿いの一軒の建物で足を止めていた。
近付いて見てみると、そこは映画『ホタル』で知られるようになった特攻隊所縁の建物『富屋食堂』であった。

富屋食堂

『富屋食堂』は、嘗て軍の指定食堂であった。
経営者の鳥浜とめ女史は、特攻隊員達に母の如く慕われた方である。既に亡くなられて10数年が経つそうであるが、この方のエピソードは映画『ホタル』や『俺は、君のためにこそ死にに行く』などに詳しい。

今、此処『富屋食堂』は、食堂として営業している訳ではない。特攻隊員の遺品や証言をパネルにしたものを展示する、特攻隊の資料館のようになっている。映画『ホタル』を切っ掛けに復元されたようであり、現在の名称も『ホタル館 富屋食堂』となっている。

入館料を払って中に入ると、中にはたくさんの方が居られた。
難しい顔をしている方も、鼻を啜る音も見えたし、聞こえた。
私自身、ハンカチを手放すことは出来なかった。
様々なエピソードが、そこにはあった。
賛美する気は毛頭無いが、目を逸らし、否定する気も無論無い。

富屋別館昼時を過ぎていたこともあり、流石に空腹を覚えた。
そこで、『富屋食堂』から程近い場所にある『富屋別館』へと向かった。ここにはカフェがあり、簡単な食事を摂ることが出来る。また、カフェの中には土産物が数多く置いてあり、『富屋食堂』にまつわる品や特攻にまつわる品、知覧やその周辺の名産などを購入することも出来る。

黒米カレーセットそこで、「和風カレーセット」¥1,500(?)を食した。黒米を炊き、そこに玉葱・人参・薩摩芋を煮て作ったカレーを掛けたものである。
当時、隊員達が食すことが出来たものとは雲泥の差があろう程に美味いものであったが(それはそうであろう。当時のカレーでは現在の我々は水っぽいとか粉っぽいとか言い出しそうなものであろうことが想像される故)、薩摩芋に鹿児島の地に思いを馳せ、店内で上映されている『俺は、君のためにこそ死にに行く』の映像を背で感じながら涙を堪えつつ感慨にふけったものである。

ちなみに、食事の向こうに見えるドリンクは単なる「サイダー」である。が、知覧は茶の産地故にサイダーに名産の茶をブレンドした「茶イダー(チャイダー)」なる飲み物がここのカフェにはある。
彼の折には何の気なしに「サイダー」を頼んだが、今思えば「茶イダー」を飲んで置けば良かったかと後悔すること仕切り。
何時か、又知覧を訪れて此度行くことが適わなかった場所共々「茶イダー」も味わってこねばなるまいな。
posted by daydreamer at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 鹿児島散策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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