2009年03月18日

バレンタインの夢の後

正直、先月の帰国の折には『アムステルフェーン』がとんでもない渦中に巻き込まれるとは思ってもみなかった。
この国では不幸なことに、私は大酒飲みの女客である。そして、まだまだこの国では女客が酒を飲むことに優しいとは言えぬところがある。故に、ラウンジ主体の『シェヘラザード』では私は落ち着いて飲むことは出来ぬ(何せ連れが居らぬと鬱陶しく声をかけてくるオヤジ共が後を絶たぬ故、1〜2杯を味わうことは出来ても心ゆくまで飲むことは出来ぬのである)。
だから、カウンター主体、或いはカウンターとラウンジが独立しているような形をとる『アムステルフェーン』の各店舗は貴重であったのだ。それ故に、5〜6時間もぐたぐたと呑んだくれることも出来たのであろう。

・・・・・・ま、それはともかく。

先月の帰国は、先にも申し上げたとおり渦中に巻き込まれる前のことであった。お蔭で、幸か不幸かスタッフも私ものんびりとしていたのであった。
これは『グランキャフェ』でも然り。そこで、名残を惜しみに来た当の本人であるバイトのK君からこんなものを勧められた。

チョコベアビア(瓶)「○○さん、こんなの飲みます?」
「何、これ?」
「チョコレートのビールです」
「は?」
恐らくこのときの私は間抜けな顔をしていたことであろう。
「これ、アタシ飲めんの?」
「えっと、確かあんまり甘くないって聞いたような・・・・・・Tさんが飲んでるんで、味、聞いてみます?」
「そうだね。Tさぁ〜ん、一寸一寸」
近くを歩いていたT御姉様を呼ぶ。
「何ですか?」
「Tさん、これ、甘い?」
「いや、甘くは無いですよ。カカオの風味はありますけど、黒ビールに近いような味ですよ」
「あ、そ。アタシにも飲める?」
「多分大丈夫だと思います」
その言葉を受け、オーダーしてみた。
ちなみにこのオーダーはバイト君がビールなら注げると言った言葉を受けたことに言うを待たぬ。

チョコベアビア(グラス)見た目は確かに黒ビールである。
ひと口、飲んでみた。
「・・・・・・あ、ホントだ。甘くない」
「でしょ?」
K君、ちょいと得意げな表情を見せる。
ふた口、三口と飲み進める。
ビールはそれ程得意では無いが、その場の雰囲気もあってか、或いはビールそのものの味わいか、何時もよりも飲み易いようにも感じる。
「これ、バレンタインに合わせて仕入れたものなんですよ」
「そうなんだ」
「その割には出なかったんですけどね」
「・・・・・・それ、宣伝不足でないかい?」
「そうかもしれませんね・・・・・・」
ケース買いしたビールであるので、未だ結構な数が残っていたとのことである。

飲みつつ食べつつ話をし、もうひとりの名残を惜しむべきHi君とも一寸話し、あとひとりのMちゃんは休みで話が出来ぬのを惜しみ、京都土産をカウンターに並べてそれを肴にまた話をし・・・・・・夜の名残りは尽きぬものである。
この日飲んだカクテルは馴染みのM氏が居らなんだ故N氏の手によるものであり、その為にスタンダードなカクテルばかりであったが、あーだこーだと話しながら流れる時間はゆったりとしたもので、無論のこと鬱陶しい男客に煩わされることも無く、至福の時を過ごしたものである。

ハウステンボス本体に送ったメッセージの返事によると3月の『グランキャフェ』の営業は決定したとのことであったが、オフィシャルHPにはそれを覆すかのような記述もあるので安堵することは到底出来ぬ。
私がハウステンボスを愛するのは女客ひとりでも安心して呑んだくれることが出来る“場所”が確保されているということが理由のひとつである。近郊の街場でも馴染みのバー以外ではこの安心は確保されぬし、同じ場内でもホテルズのバーは少々肩が凝る。『ヴィノテーク』あたりであればそれなりに寛げるが、『シェヘラザード』は前述の理由から寛ぐことは到底出来ぬ。そして、写真で見る限りでは『ア クールヴェールカフェ』は酒を飲む“場所”ではない。

スタッフは文字通り粉骨砕身してくれるであろうが、この“場所”から来る安心感ばかりは如何ともし難いものがある。
出来ることであれば、以前のように『グランキャフェ』だけで良いから安心できる“場所”を残しておいて欲しいものだ。スタッフは変わることがあっても“場所”さえ残れば安心は何時までもそこに在り続けるのであるから。
posted by daydreamer at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | Huis Ten Bosch:FOODS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。