2007年06月28日

隠れ家への回帰(其の壱)

私には、ハウステンボスでの“行きつけ”(断じて“常連”と言われる程には通ってはおらぬ)のバーが2軒ある。

1軒目は、先に長々と記事を書いた『カフェ・デ・ハーフェン』。
ここには、気が向くと開店直後(18:00)から閉店間際(0:00)迄の長時間を過ごすことが多くある。これは、何せ安い(此れだけの長時間を過ごし、また、その間グダグダと飲み続けていながらも勘定が5桁に達したことは1度も無い)ということと、スタッフが若いので気安い雰囲気が強いということが理由に挙げられるのではないかと思う。
リニューアルオープン時とスタッフが若干入れ替わるということであるが、それでも、1年もの歳月をかけて培った雰囲気は変わらぬ。この雰囲気が好きで入り浸ること早1年にも達する(そう言う割りに回数が少ないのはご愛嬌である)私にとっては、アミューズメント施設よりも寧ろアミューズメント性が高いと思われる場所なのである。

そして2軒目が、ここからの舞台となる『ホテルデンハーグ』のメインバー『ヴィノテーク』である。
そもそも私が「“ハウステンボスのバー”で1人で飲む」という楽しみを覚えたのがこのバーであり、また、常宿としているのが『ホテルデンハーグ』であるので、「寝しなに一寸1杯」が出来ること、また、羽田発最終便での帰国が何のかのと言って多い所為で「夜食(夕食)処」としての活用が出来るという、誠に便利な場所なのである。
元々こちらは「ワインバー」である故、赤ワインを殆んど受け付けなくなった今、こちらでワインを頂くことはめっきり減ったものの、白ワインは大好きである故、偶にワインを楽しむことがなくも無い。が、複数のバーテンダーによるカクテルを楽しむのも、この店での至福のひとときであると言い切ってしまっても過言では無い。

前置きが長くなった。それでは、本題に移らせて頂こう。

『ヴィノテーク』の開店は、『アムステルフェーン』各店舗よりも1時間早い17:00である。故に、私は先ず“その日の最初の1杯”を、ここ『ヴィノテーク』で頂くことが多い。
この日もそうであった。
前日、21:30頃にこの店を訪れたとき
「どうです?」
「すみません。今日は一寸・・・・・・」
と、団体客を迎えた馴染みのバーテンダーNさんの泣きそうな引きつった顔を見て
「じゃ、また明日来ますね」
との言葉を残し、部屋に戻ったのは『移り行く、されど、変わらぬ愛すべき・・・・・・(其の肆)』と題した記事に記載した通り。
その言葉通り、翌日の17:00丁度に、私は『ヴィノテーク』のドアをくぐった。15:00より1時間かけて『ティークリッパー』にて「アフタヌーンティー」と格闘し(普通は“楽しみ”と申すところであろうことは重々承知の上で“格闘し”という言葉を使わせて頂くがご了承あれ)、とうとう頭痛を起こして部屋で引っくり返り、薬を飲んで1時間近く眠った後である。何でも良いから口にして、胸焼けを少し治めようという魂胆があったのは、こちらの話。

開け放たれたドアをくぐると、店内には未だ客は居らず(開店直後であれば当然の話でもあろうが)、カウンターの中に居たのも、これまた馴染みのバーテンダーIさんただ1人。Iさんは、カウンターにグラスをずらりと並べ、いつもと違うエプロン姿でグラスを磨いているところであった。
「いらっしゃいませ」
「こんばんは。こんなにグラスを並べて、また、何か集まりでもあるんですか?」
「いえいえ、今日は未だ早いんでグラスを磨いていただけですよ」
「あ、成る程ね」
「ま、どうぞ、お掛けください」
と勧められて、カウンター席へ腰を下ろす。
ここで好んで腰を下ろす席は、入口から3〜4番目の席である。
「昨日も一寸だけ顔を出したんですけどね」
「あ、聞きました。申し訳ありませんでしたね。10人位でバタバタしてしまったようで」
「いや、大変そうでしたよ。Nさん泣きそうな顔をしてらっしゃいましたし」
「Nさん、カクテルを覚えてないからですよ」
と、バーテンダー経験の長い(聞くところによるとアメリカまで武者修行に行ったこともあるそうな)Iさんはバッサリ。
「ちゃんと覚えていればあの位の人数でいっぱいいっぱいになる筈も無いんですけどね」
「まぁ、Nさんは元々こちらの仕事をなさっていた方じゃ無いんだし・・・・・・」
「でも、そう言いながら5年も経つんですよ!」
「あ、そんなに経つんですか・・・・・・」
いやはや、この仕事に対して“師匠格”に当たるIさんの手厳しいこと。こう言われてはNさんも形無しである。
・・・・・・とは言え、こちらに立っていたバーテンダー諸氏は、Iさんにしても前任のSさんにしても助っ人で来ていたYさんにしてもはたまた“『ハーフェン』の姐さん”ことTさんにしても若い頃からこの仕事をして来られた方である(Tさんはバイトの頃から『ジャックポット』に入り、その後幾つかの部署を転々としてから『ジャックポット』『シェヘラザード』『グランキャフェ』を経て現在の『カフェ・デ・ハーフェン』に落ち着いたと聞いたことが・・・・・・)ので、それよりもずっと遅くこの仕事を始めたNさんに対してちょいと酷かとも思われたのであるが・・・・・・。

「ダイキリ」ミストスタイル何も無いのも間抜けとばかりに、取り敢えず、カクテルを作って貰った。
お任せでお願いすると、直後からガリガリガリ・・・・・・と、足元で大音響が響く。
「な、何ですか?この音」
砕氷機であった。
待つこと数分、出てきたのがこのカクテル。
「これは、何ですか?」
「「ダイキリ」ってカクテルがありますよね」
「はい」
「それをクラッシュアイスのグラスに入れた“ミストスタイル”です」
成る程。
涼しげな景色が、暑いその日の気候にピタリと合っている。
使われているラムは「バカルディ」のゴールド。強めのラムの味が、また、夏気分を盛り上げてくれるものである。
・・・・・・梅雨の真っ只中だろう、という“お約束のツッコミ”はこの際控えさせて頂いて。
posted by daydreamer at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Vinotheque Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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