2007年07月01日

隠れ家への回帰(其の肆)

「そうそう、僕の友人で韓国人が居るんですけど」
「ふんふん」
「あいつ、あるとき日本人に何か頼まれごとをされたらしいんですね」
「はいはい」
「で、そのとき面倒だし時間も無いし・・・・・・で「I can't speak Japanese!」って逃げたことがあるんですよ」
「ん?その方、日本語出来る方ですか?」
「勿論です。僕と友人付き合いをしている位ですから」
「あ、そうですか・・・・・・あせあせ(飛び散る汗)
「で、そいつと一緒に歩いてるとですね、僕迄“あちらの国のヒト”に見られることがありましてですね・・・・・・」
以上、Nさんの談話である。
ちなみにNさん、別に韓国語を話す訳では無いそうな。

「今度の「ヴァン・ヴィーノフェア」は1年も続くんですよ」
と、これはIさん。
「ふ〜ん、今までと違って随分長いんですねぇ」
「長過ぎますよ。今回のは」
「でも、まぁ、一応『ヴィノテーク』は“ワインバー”ですからね」
「それにしても、ですよね。それに、ここが本当にワインばっかりになったら、僕、要らないですよね」
「それは・・・・・・どうでしょ?」
「まぁ、そのときにはNさんに1人で頑張って貰うとして・・・・・・」
と、Iさんが視線を投げたその先のNさんは、そ知らぬ顔でグラスを磨いている。

「そうそう、何時か作った「フランシス」、覚えてます?」
「覚えてますよ。あのやたら強いカクテルでしょ?」
「あれ、中身覚えてますか?」
「そりゃ、まぁ・・・・・・確かジンとバーボンですよね」
「しかもジンは「タンカレー」です」
・・・・・・そこ迄は知らなかった。が、「タンカレー」と言えば確か蒸留を繰り返して相当ドライに仕上げられたものであったような・・・・・・。
「そのパンチの効いた味が非常に“男性的”なカクテルなんですよ」
流石に、これを聞いたときにはドッと疲れが出たものである。
そこで、くるっと椅子を回して向こうを向き
「その“男性的”なカクテルをどうして“女性”のワタシに作るかなぁ!」
と、少々声を張り上げた。
そのとき、Iさんは、慌てず騒がず・・・・・・
「いや、僕が作りたかったんですよ」
「・・・・・・」
やれやれ、と、くるりと椅子を戻す。
「この「フランシス」ですけど、『バー・ラジオ』のオリジナルでしてね」
「その『バー・ラジオ』って何処にありましたっけ?名前だけはよく聞くんですけど」
「確か西麻布の方で営業してるんじゃないですか?」
と言われ、インターネットで幾度か検索をかけたのであるが定かではない。ご存知の方がいらしたら是非ともお教え願いたいものだ。

話に興じていたら、何時の間にか18:00を廻ってしまっていた。
「あ!いけない。そろそろ『ハーフェン』に行かなきゃ」
「?」
「あちらのバイトの子が6月で辞めるんで、今日は早くから行くって言ってたんですよ」
「あらら、そうでしたか。では・・・・・・」
と、Nさんが急いで伝票を用意してくれた。
ここでの勘定は部屋付けである。故に、私は伝票に部屋番号とサインを記入せねばならぬ。が、私は右手を痛めて副木を当てている。到底字が書ける状態ではない。
「すみませんけど、書いといて貰えますか?」
「あ、はいはい。お部屋番号は・・・・・・?」
とNさんに言われ、カードキイを提示する。Nさん、それを見ながら必要事項を記入する。
「じゃ、また後で来れたら来ますね」
「はい、お待ちしております」
と、『ヴィノテーク』を後にして『カフェ・デ・ハーフェン』に向かったものであった。
その後の出来事は、「移り行く、されど、変わらぬ愛すべき・・・・・・(其の伍)〜(其の拾)」の記事に記載した通り。
posted by daydreamer at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | Vinotheque Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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