2007年07月02日

隠れ家への回帰(其の伍)

さて、『カフェ・デ・ハーフェン』でこれ以上に無いほどに長居をし(それに付き合ってくれるスタッフには感謝を申し上げねばならぬであろう)、スパーケンブルグのデッキをとぼとぼと歩いて『ホテルデンハーグ』に戻ったのは0:00を少し過ぎた頃。
この時間では、ひょっとしたら早仕舞いをしているであろうか・・・・・・と思いながら『ヴィノテーク』前を通ると、豈図らんや扉は未だ開いたままである。これは重畳とばかりに、まるで生まれた川に戻る鮭の如くに『ヴィノテーク』へと“回帰”したものである。

「あ、お帰りなさい」
と、馴染みのバーテンダーが迎えてくれる店内には、時間も遅いこととて客はひとりも居らぬ。
「ありゃ?お客さん居ないんですか??」
「いや、今迄大変だったんですよ」
と、言うのはNさん。
「宴会の子が『エクセルシオール』から団体様を連れてきてですね、今帰ったところなんですよ」
「それはそれは・・・・・・お疲れ様です」
Nさん、2日続きで団体様のお相手をした所為か、少々表情に疲れが見える。
・・・・・・ん?今日は独りでは無かった筈だが?
そこに、Iさんがふらりとやって来る。
「いやぁ・・・・・・今日は暇でしたねぇ。宴会の子が10人一寸の団体様を連れてきてくれて何とか面目は保てましたけど」
「あらま・・・・・・そうでしたか」
バーテンダーお2人は同じ出来事を話しているのである。が、NさんとIさんの話を聞いていると全く違う話の如くに聞こえるのが不思議と言えば不思議であった。

「○○さん、『ハーフェン』どうでした?」
「結構込んでましたですね。花火の後は」
「そうですか。ところで、バイトの子が辞めるって先刻聞きましたけど」
「ええ。6月と7月に1人ずつ辞めるそうですね」
「その後はどうなるんですか?」
「Tさんの話だと、面子の足りない部分は異動と新しいバイトで補充するんだそうですよ」
「やっぱり入れ替わりなんですね・・・・・・」
Nさん、心底疲れきった表情である。
「ですけど、異動してくるS君はもうカードやらルーレットやらを触ってますし、そう考えると全く初めてでは無いですからねぇ」
一応ディーラーデビューもしたことであるし。

Nさん作「オリジナルカクテル」其の弐ともあれ、話をしながらNさんがまたカクテルを作ってくれた。
これは、先のカクテルよりもより“ジュース”の味が強い。
故に、普段の私では受け付けることはあるまい。
が、このときの私は既に酔っ払いである。昼に『とっとっと』でビールを1杯、夕刻に『ヴィノテーク』でカクテルを2杯、その後に『カフェ・デ・ハーフェン』でカクテルを計6杯飲んでいるのである。その為、この甘いカクテルを美味い美味いと飲んでいたのである。
Nさん、これを見て私の酔いに気付いたようである。

「そう言えば、△△さんがお見えになりましたよ」
「あ、そうなんですか?」
「ええ。○○さんに宜しくとのことでした」
「あらら・・・・・・それはそれは。名残を惜しみすぎて申し訳ないことをしたかな?」
△△さんとは、地元ハードリピーターのGさんである。実は、前からこの日に入国する(かも知れぬ)とのメールを頂いていたのである。
Gさんは、体質的にアルコールを一切受け付けぬ。その為、他の場所であればこのようなバーには縁の無い方である。
が、何せこちらのバーテンダー諸氏は引き出しが多いので、ノンアルコールでもそれなりのカクテルを作ることが出来る。増してやNさんのカクテルは、酒が入っていてすら酒を感じさせぬ柔らかい味わいが特徴であるので、女性客にファンが結構多い。
Iさんはそれ以上にレパートリーが豊富なのであるが、何せアルコールで味を締める傾向があるので、口の中ににアルコールの味がしっかりと残る。故に、軽く飲みたいという女性客よりもしっかりと飲みたいという男性客(男女逆もまた然りである)に人気がある。時として・・・・・・というよりもこれは我々限定のような気がするのであるが・・・・・・突拍子も無いものを作ることも無きにしも非ずであるが。
それはさておき、その為、アルコールを受け付けないGさんの如くの客も楽しめるので、この方は『シェヘラザード』と共にここ『ヴィノテーク』もお気に入りで、ちょくちょく顔を出しておられるのである。

この時間、ここで飲むのは1日のクールダウンの意味を持つ。だからという訳ではない(と思う)が、私は、この時間に飲むときには喋りのペースが格段に落ちる。
このときが正にそうであった。
『ハーフェン』で常連Mさんとお会いしてお話したこと、S君の初めてのディーラー振り、Taさんのお茶目な一コマ、そしてTさんが相も変わらず元気にトバしていたこと・・・・・・これらをぽつりぽつりと話す。

グラスが空き、Nさんがもう1杯カクテルを作ってくれる。酔いがしっかりと回った私、最早デジカメを構える気力も無く、それを口に運ぶ。
「大丈夫ですか?それ」
ぼつぼつ片付けものをしながらNさんが聞く。
「ま、大丈夫ですよ。これ位なら」
「それ、先刻より甘いですよ」
「ま、何とかね」
・・・・・・これで、自分が酔っていることが判った。
時間も既に閉店時間を過ぎている。
その為、これで最後にしてチェックをして貰った。
Nさんがキャッシャーのところで伝票を用意し、それに部屋番号と私の名前(『ヴィノ』のお2人は我々のフルネームはおろかHNも承知である。ブログは読んでいないようであるが、ここでのオフ会の度にHNで呼び合うので聞くともなしに耳に入ったものであろう)を記入する。
徒然なるままにふっと振り向くと、壁にワインのエチケットが描かれたパネルがあるのを見つけた。
これは、「ムートン・ロートシルト」のエチケットを集めたものだそうである。
「私の生まれ年はこれですね」
「僕は・・・・・・その近くですね」
と、チェックを終えたNさんと、パネルの話をひとしきり。その間、Iさんは店内の片付けに掛かっている。
このとき、次の帰国の予定をNさんに一寸話した。

離れ難いのは山々であるが、何時までもそこに居るわけには参らぬ。
私も寝なければならぬし、増してバーテンダーお2人には(何時の間にやら1:00になっていたので)既に残業を強いている。
名残惜しいが、扉をくぐり、その場を離れる。
「ありがとうございました」
の声に送られ、『ヴィノテーク』を後にする。
振り返ると、最敬礼して微動だにせぬNさんがそこに居た。

・・・・・・いやはや、どうにかこうにか書き上げるだけで精一杯、何とかかんとかアップはしたものの、目立つところに誤字があったり話の内容が支離滅裂であったり・・・・・・。
誤字は(見つけたところだけであるが)手直しはしたものの、これ以上に文章を書き直す余力は残っておらぬ。不満は様々思い当たるものの、これはこのまま“備忘録”的な役割を果たしてくれるであろう。そう、考えてこの文章はそのまま残しておくことにした。

『ヴィノテーク』は、ハウステンボスの中でも稀有の存在であると私は思っている。
こちらで、私はひたすら飲んで喋っているだけである。が、それでも心地良い充実感にひたることが出来、そして、付かず離れずの距離感がここに根を下ろしてしまう程の満足感を与えてくれると言っても過言ではない。
逆に、某ホテルの某バーや某ラウンジなどでは“最高の持て成しを”という心遣いが強過ぎて、私などでは疲れてしまうのである。故に、私は某ホテルのバーやラウンジは余程のことがあるか時間が中途半端にあるときにしか利用はせぬ。(←これは、決して時間を過ごすことなく次の予定に行くことが出来るという理由である。関係者及びこちらのファンの方々には誠に失礼を申し上げているのは重々承知であるが・・・・・・これについては深くお詫びを申し上げたい)
また、バーテンダー諸氏の人柄の良さもこちらをしばしば訪れる理由であろう。我々の場合は既に男女の則を超えた間柄であり、また、肝心なところは決して口外せぬという安心感もあるので、酔った勢いで様々な話をすることも多い。而して、『ヴィノテーク』のお二方は私以上に私のことを知っていると言えなくも無いのである。

嘗て、『ヴィノテーク』に、閉鎖問題が起こったことがあった。
そのときの数多い常連の応援と励ましを、バーテンダー諸氏は忘れては居らぬ。それは、会話の端々に、ふとした拍子に現れる。
が、それはもう忘れても良いのではあるまいか。
『ヴィノテーク』のファンは、我々だけでは無い。もっと他にも大勢のファンを持つ。それは、この場所が、浮世を忘れ、疲れを取り去ってくれるからに他ならぬ。
だからこそ、我々も集うのだ。

最後に、この一連の記事をお読みくださった方々へ、感謝を。
またもや長々と書き連ねた駄文を、飽きもせずお読みくださりましてありがとうございました。
この「Vinotheque Story」は、これからも折に触れて様々な事象を書いていきたいと思っておりますので、今後も宜しくお付き合いください。
・・・・・・流石にこのような「連作」があるかは保障いたしかねますが。
posted by daydreamer at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | Vinotheque Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/46480250
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。