2007年08月03日

新しき顔を迎えて(其の弐)

『ホテルヨーロッパ』からすっ飛んで歩いて『カフェ・デ・ハーフェン』に戻ると、店内には客は居なかったのであるが、マリーナ側に設えてあるテラス席はそろそろ埋まってきた様子であった。
いつもの席に腰を下ろすと
「ご注文は?」
と、Taさん。
「お任せします」
と答える、モノグサの私。

ボストンクーラーそこで、Taさんが作ってくれたのがこちらである。
「これは、何ですか?」
「「ボストンクーラー」です」
「ボストンクーラー」は、ラムベースのカクテルのひとつで、スタンダードカクテルのひとつである「ダイキリ」を炭酸系の飲み物で割ったかの如くのカクテルである。カクテルブックによると、使用する炭酸系の飲み物をジンジャーエールにしているものも割合に多いのであるが、今回のものはサッパリと苦も無く飲むことが出来たので恐らく普通のソーダ水で割ったものであろう。
「何か、おつまみでも如何ですか?」
「そうですね、頂きましょうか」
「では、こちらなど如何ですか?」
と、Taさん、店内のホワイトボードに掛かれたメニューを指し示す。
今一番のお勧めだそうで・・・・・・その“店内表示”がこちらである。聞くところによると、今夏の『ハーフェン』のお勧めはこちらの「枝豆」であるそうな。
「じゃ、それ、頂きましょうか」
「ありがとうございます」
と、Taさんは奥に引っ込み、程無く「枝豆」が出てくる。
が、この「枝豆」を見て、私は仰天した。・・・・・・というのも、量がこの値段にしては多過ぎるのである。
(『カフェ・デ・ハーフェン』の食器をご存知の方であれば、“チーズ盛り合わせの皿”に山盛りの枝豆、と申し上げれば何となくご想像が付くことであろう。ご想像が付かない方はどうぞ『カフェ・デ・ハーフェン』に足を運んでご確認あれ)
「・・・・・・ちょっとこれ、多いんじゃないですか?」
「いや、見た目程じゃないですよ」
と、涼しい顔のTaさん。
枝豆自体は、新鮮さや豆の甘さがサックリとした歯応えと共に感じられ、茹で加減や塩加減も良く誠に結構なものであった。その為、スタッフの面々と話をしながら飽きず食すことが出来たものである。が、矢張り量は格段に多い。食しても食してもなかなか減らぬ。さや入れにと添えてくれた小鉢は、何時の間にか山盛りになっていたのであるが・・・・・・。

そこへ、テラス席の客に注文の品を運んでいたTさんが戻って来る。
「○○さん、ブログのコピーは?」
「また持ってくるんかい・・・・・・」
取り敢えず、携帯で拙ブログを呼び出し、Tさんが初っ端に出てくる「移り行く〜(其の伍)」を表示して読ませてみた。が、丹念に文字を追う上、客の注文が次から次へと入るので(店内はガラガラであったのだが、テラス席は満杯になっていたのだ)出だしの部分しか読むことが出来ぬ。これは、次回には今回の文章と前回の分を含めてプリントアウトして来ねばならぬであろうな。
・・・・・・などと考えていると、また、テラス席から注文が入ったようである。
「この暑いのによく外で我慢出来るねぇ・・・・・・」
「初めて来られた方はそちらを選ぶんじゃないですか?」
と、Tさん。
成る程。確かに景色も良いし。

テラス席の注文を、Tさん、伝票に書き込んでいる・・・・・・かと思ったら、しきりにボールペンを振り、幾度も幾度も同じ伝票にペンを走らせている。とうとう、Taさんが胸元に差しているボールペンを借り、伝票の記入をしていた。
無論、事務所に行けばボールペンの5本や10本はあるであろう。が、このときは未だ営業が始まって其れ程間が無い時間帯である。客もそれなりに入っていることであるし、真逆にボールペンを取りに事務所へ行く訳にもいくまい。
ここで、ふと思い出した。
前回の帰国の際に、荷物にノートとペンケースを入れてしまった為、記録(殴り書き)が出来ぬので間に合わせに購入したボールペンが、バッグに突っ込んだままにしてある。セットで購入したメモ帳はそれなりに使用できるので重宝しているが、このボールペン自体は、既にペンケースも他のペンでパンパンになっている為に入らぬし、家にも山程ある故にもう要らぬし・・・・・・と、少々もてあまし気味であったのだ。また、このボールペンは、実はハウステンボスでそれこそ山程売っている「ブラウンミッフィー」のボールペンであるので、万が一再度欲しくなったとしても(自分の性格からして在り得ない話ではあるのだが)容易に購入が可能である。
「Tさん」
「はい」
「余ってるボールペン、確かバッグに突っ込んであるよ。やろうか?」
「良いんですか?」
「うん。使うトコ無くて放り込んであるヤツだし」
「ありがとうございます」
ゴソゴソとバッグを探り、ボールペンを取り出す。
「ほい、コレね」
と渡すと、Tさんの目が真ん丸くなった。
「え?こんな可愛いの、良いんですか??」
「うん。他にもいっぱいあるし、使い様無いのヨ」
「これ、中身(芯)換えられますかね?」
「そうじゃない?中身はフツーのボールペンと変わらないようだし」
Tさん、早速芯を取り出して確認する。
「ありがとうございます。大事にします!」
「・・・・・・まぁ、テキトーにね」
行き場が無くて邪魔者扱いにされていたボールペンは、無事、Tさんの胸元に納まった。これだけ喜んで貰えるのであれば、ボールペン自身も冥利に尽きるというものであろう。
posted by daydreamer at 01:50| Comment(0) | TrackBack(0) | Cafe・De・Haven Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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