2007年08月05日

新しき顔を迎えて(其の伍)

『カフェ・デ・ハーフェン』に戻ったときには、既に花火が終了しており、夜の名残を惜しむ客が思い思いにテーブルやカウンターに着いていた。店内は先程のしんとした様子が嘘であったかの如く、活気に満ち溢れていたのが印象的であった。が、テラス席の客は居なくなっていたようで、先程の如くの慌しさは為りを潜め、スタッフ達も決して暇そうでは無かったが、走り回ることは絶えて無かった。
さて、いつもの席に・・・・・・と向かうと、そこには既に先客が。
「ゴメン、席取っちゃった」
と仰るのは、地元ハードリピーターにして『ハーフェン』店長Taさんが崇拝している(・・・・・・という言動がそちこちでみられる)旧知のMさんである。
(Tさんとの会話では「◇◇さん」というお名前で登場しているのがこの方である)
「いえいえ、どうも」
と返し、近くの席に着く。

「じゃ、これね」
「ありがとうございます」
と、先ずは受け渡しをする。何の受け渡しをしたかと申すと、この夏のモーレン会員限定の謎探しイベント「メガラニカの秘宝」のパンフレットである。これは、1000部限定の販売であった為に確実に入手できるか定かではなく、この日の帰国が決まったとお知らせした際に
「買っておかなくてよいですか?」
「出来たら買っておいてください」
「ゲットしました」
「ありがとうございます」
・・・・・・と、依頼をしておいたものであった。翌日は似非ライターに付き合って店舗巡りをせねばならぬ故、もうひとつ開催されている「宝探し」は流石に時間が無く断念せねばならぬが、こちらの「謎探し」だけは是非とも体験したかったのだ。
早速、パラパラと捲って内容の確認をする。ふむ、これならばそれ程時間も掛からぬであろう故、店舗巡りの合間にさっさと回ってしまえるであろう。
(そうは言っても既に酔いが回りかけていたので、細かな文字を追うのは些かしんどかったのであるが)
「じゃ、後でゆっくり見ます」
「それじゃ、こっちも見てみる?」
と、Mさん、ご自身が体験された「宝探し」のリーフレットを出して見せてくれた。3枚のリーフレットは、それぞれ初級・中級・上級の3種類である。
初級のリーフレットは、流石に“初級”というだけあって、大変に分かり易いものであった。が、中級と上級は、どちらがどちら、という難易度では無いような気がした。無論、中級の中級たる、上級の上級たる問題もあったのであろう。が、今回見せて頂いた問題に関しては、中級の方が明らかに上級よりも探し難いと思われる問題であったのである。
とは言うものの、これを体験されるであろう方々はこのテのものがお好きな方々であろう。ならば、多少問題の難易度を前後させたところで何ら支障は無かろうと思う。私自身、このテのものが好きな方であるので、今回の帰国の短さを残念に思ったものだ。
(・・・・・・という訳で、今から来夏の帰国計画(及び長崎市内への観光計画)を練り始めたものである。今年は仕事の都合で長期の帰国がままならぬ事態であったので・・・・・・閑話休題)
兎も角、このときの話題は「謎探し」と「宝探し」のことであった。他には、翌日の予定などをぽつりぽつりと話したことだけは覚えている。
さて、と時計を見たMさん、
「じゃ、そろそろ「ナイトカヌー」でも」
「あれ?「早朝カヌー」はしないんですか?」
「だって、ほら・・・・・・」
「あ!そうか、今日は日航(ホテル)でしたっけ」
そう、その日、急遽宿泊を決めたMさんは、場内ホテルの部屋を確保することが出来ず、已む無く日航ホテルに宿泊されていたのだ。尤も、私とて常宿を確保出来ず『ホテルヨーロッパ』に宿泊していたのであるから凡その状況は理解していたつもりであったのだが。
「うん、だから「ナイトカヌー」でね」
「成る程・・・・・・じゃ、どうもありがとうございました」
「こちらこそ。それじゃ」
と、Mさんは『カフェ・デ・ハーフェン』を出る。

此処で一旦手を洗いに立ち、席に戻ると、何故かTさん、青い顔をしている。
「○○さん、◇◇さんの直電かメール知りませんか?」
「分かるけど・・・・・・どうしたの?」
「今日『ムーンシャワー』貸切ですよね」
「そうだったね。先刻『グラン・キャフェ』に行く途中で案内見たっけ」
「だけど私、『ムーンシャワー』のご案内しちゃったんですよ!」
「あー、分かった。んじゃ・・・・・・」
と、電話を入れてみるが繋がらず、メールにて
「本日『ムーンシャワー』貸切」
の連絡を入れる。折り返し、Mさんより
「「ナイトカヌー」の予定が流れ流れて『シェヘラ』に」
と、返信が届く。それをTさんに見せると
「済みませんけど○○さん、◇◇さんに「申し訳ありません」って言って貰えますか?」
「何で?」
「『ムーンシャワー』のご案内をして予定を狂わせてしまったから・・・・・・」
Tさんのこういう表情は、実は初めて見た。先月の『ヴィノテーク』のNさんの“泣きそうな顔”に負けず劣らずの“泣きべそ顔”である。
が、当人は至って真剣である故に茶化すのも憚られ、
「はいはい」
と、再度メールを送る。が、返信はこの「申し訳ありません」が何のことやら解らずキョトンとしたMさんの表情が見えるが如くのもの。
「返信来たよ。・・・・・・だって」
「じゃ、『ムーンシャワー』のご案内をしてしまったから、って・・・・・・」
「それじゃさ、悪いけどTさん、自分でメール打ってくれる?」
流石にそろそろ酔いが目に来ている。文字を追うのも既にしんどくなってきて久しい。不安顔のTさんには悪いが、これは自分で言いたいコトを打って貰った方が早いであろう。
そこで、返信の画面を呼び出し、携帯をTさんに渡した。Tさん、一心不乱に携帯でメールを打ち、送信をしてようやくホッとした様子。そうは見えぬことも多々あるがこのヒトも接客業にありがちな“気にしい”の性質であるので・・・・・・。

ここで、私も同様に肩の力が抜けた思いがした。すると、それ迄抑えていた酔いがドッと回ってきた。眠気と疲れが私を襲って来たので、先日の如くの「電池切れ」を起こしそうである。そこで、静かに飲んで時を過ごすことにしようと決め、グラスの酒(最早何杯目であったかなど定かではない)を啜り始めた。
posted by daydreamer at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | Cafe・De・Haven Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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