2007年12月16日

ペース配分・・・・・・(其の肆)

話の合間にちょいと席を立ち、戻ると、Sa君はブラックジャック台のディーラー席に座り、カードを捌いているところであった。Taさんはカウンターに立っている。客もそれほど多くは無い・・・・・・が。
そろそろ団体の客も入り始めている。雰囲気も、何とは無しに客が入ってきそうな様相である。
ここで、Taさん、携帯を取り出し、何処かに電話を掛けるが、どうも繋がらない様子。
「アレキサンダーの屋台とは連絡が取り様が無いもんですからね・・・・・・」
「そうね」
「だから、Sにも携帯を持たせてるんですよ」
「あ、成る程」
「だけどどうも上手く繋がりませんね。あっちから掛かってきたときにはこっちがメイキング中だったり、こっちが掛けたときにはあっちが接客中だったり」
「お互い相手は見えないしねぇ・・・・・・そう言えば、あっちの屋台でコーヒー買ったときにS君と一寸話をしたんだけどね」
「はい」
「あのコ、今日15:00出勤で起きたの14:30だったんだって?」
「・・・・・・一寸遅刻気味でした」
「あ、そう・・・・・・」

「ところで、次、何にします?」
「そうね、何にしようかな・・・・・・?」
前日よりあれこれと飲んでいる。お任せを作って貰うにしてはそろそろ人手も足りないであろう。考えあぐねていると
「じゃ、久し振りにカードなんかどうですか?」
と勧められる。
「そうだね。じゃ、ちょっと“休憩”して」
と、ブラックジャック台に席を移す。以前チケットを貰っていたチップは、既に前日のうちから店に管理されている。そのとき渡したチケットは(Tさん曰く“顔担当”の)バイトのH君が書いたものであったのだが・・・・・・
「お前、字、汚いなぁ。ペン字でも練習しなさいよ」
と、思わず口にしたばかり。当人もこれを聞いて頭を掻いていたものであった。
何分このH君、確かに“ジャニーズ系イケメン”と言えなくも無い風貌であるが、何せ19歳の若さであるのですることなすこと未だ未だ手応えが無いこと夥しい。そこで、女性客が入ってくる度に
「ほれ、イケメン。さっさと注文とっといで」
などとからかって遊んでいるのである・・・・・・閑話休題。

飲み物は後回しにして、先ずはSa君のカード捌きを見る。既に『ジャックポット』に入って4ヶ月程、なかなか堂に入ったカード捌きである。
「初めてTさんの手捌きを見たときはビックリしましたよ。あんまり早くて、鮮やかで」
「そうだろうね。あのヒト慣れてるから」
「で、それを言ったらですね」
「うん」
「本人、「アタシはそんじょそこらのディーラーより上手い!」って自分で言ってましたよ」
「それを言っちゃうところがあのヒトなんだよね・・・・・・」
最早慣れてしまっている。今更どうこう言うことも無い。それに、私はそのキャラクターを面白がるが故にTさんの居る『ジャックポット』に来るのである。
それはともかく、Sa君、カードを纏めて、私の前にカードを切るプレートを差し出す。受け取り、適当なところに差し込む。そこでカードをホルダーにセットしようとすると、突如

ガコン!

という音がした。見ると、カードホルダーの一部が外れてしまっている。
「あれ?カードホルダーが“バースト”しちゃいましたよ」
「おいおい、大丈夫かい?」
「・・・・・・あ、付きました」
何とか填め込んだ様子。
「それ、木製だから瞬間接着剤(実際に言葉にしたのは商品名であるが)じゃ付かないよねぇ」
「そうですね。普通に木工用ボンドなんかを使わなきゃいけないでしょうね」

どうにか、ゲームを始める。
カードをしている客は、私ひとりである。
ここで、珍しくも不思議なことがあった。
このときの私の出目は、21にしなければならぬカードが14だの15だのと半端な数ばかりが来た。この先また頻繁に来ることが出来る状態になるか判らぬし、そうなるとここにも暇乞いをせねばならぬし、少しチップを減らしておこうと考えてヒット(もう1枚カードを貰うこと)を繰り返した。が、その後のカードは3だの4だの5だの・・・・・・つまりなかなかバースト(カードの合計数が22以上の数になること。その場で“負け”が決定する)しないのである。Sa君も
「普通はバーストする手ですよね」
と、少々呆れた様子。カードが半分を過ぎた頃、ようやくバーストの手が来て
「おお、初バーストだ!」
「今までバーストしないのが不思議なくらいですけど・・・・・・」
カードホルダーもその後は“バースト”せず、どうにかこうにかゲームが終わる。
「じゃ、次行きましょうか」
「うーん、一寸こっちも休憩しようかな。下ばっかり向いてたら首痛くなってきたよ」
「それじゃ僕、一寸このカードホルダー直してきますね」
「うん」
「でも○○さん、▼(H君)だったら上向いてるから首痛くならないんじゃないですか?」
「そうでも無いよ。アイツ、結構ビミョーな手ばっかり出すもん」

この頃、アレキサンダー広場の屋台に“出稼ぎ”に行っていたS君が店内に戻って来た。
「お帰り。寒かったやろ」
「寒かったっす・・・・・・」
心底寒そうに首を竦めるS君。
「だけどさぁ、■■から来るとどうも九州の寒さはあんまり寒く無いような気がするんだよね」
「そうですか?」
「うん、昨日Tさんとも話したんだけどね、向こうみたく骨に染みるような寒さは無いもん」
「そんなもんですかねぇ」
「そうよ」

「ところで今日のゴスペルですけど、大したメンバーが休みでなくて良かったですね。」
「そうね」
「見てると、あの痩せた女性ふたりが居ると居ないじゃステージの盛り上がり方が違いますよね」
前日『ジャックポット』に来たときに、このS君、わざわざ『ムーンシャワー』迄出向いてキャストの確認をしてくれたのである。そのときは私も到着したばかりであったし、午前中は仕事で疲れてもいたので折角の好意ながら『ジャックポット』に根を生やしていた(が、途中一寸だけ『パロット』で歌ってきた)のであるが・・・・・・。
「で、やっぱり『ムーンシャワー』ですけど、花火の後すぐ開場ですから早めに行かないといっぱいになるらしいですよ」
「そうなんだ。じゃ、取り敢えず1杯」
「畏まりました」
Taさんにカクテルを作って貰う。出て来るか来ないかというタイミングで、花火が始まる。他の方であれば店外に出て釘付けになろうかという花火ショー「HANABI Around the World」であるが、イベントに然程興味を示さぬ私は殆んど見ることもせぬ。それを知っているスタッフ達も今や平然としている。ましてやS君などは
「○○さん、花火終わると人いっぱいになりますよ。早く行かないと」
と勧める始末。こちらもそれは解っているので
「そうだよね。じゃ・・・・・・」
と、カクテルを急いで飲み干して席を立つ。
「じゃ、今度はコート置いとかしてね」
「はい、お預かりします」
連発のスターマインが始まった頃、『ジャックポット』を出て『ムーンシャワー』に向かう。
posted by daydreamer at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | Amstelveen Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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