2008年01月23日

負けじ魂(其の捌)

そうそう、四方山話の中でTさんに
「○○さん、これ書いてくださいね!」
と言われた話があったのを思い出した。
・・・・・・それは入店して間も無くの頃・・・・・・
客が少ない少ないと言っていた『ジャックポット』であったが、前日『グランキャフェ』から戻ってきたときには結構な客が入っていた。テーブル席は端まで満席、カウンター席も半分近くが埋まっていたのである。
そこで、店長Taさん(I君)とTさんが居るところで
「昨日はお客さん結構入ってたじゃない。テーブルなんか満席だったしさぁ」
と話を振ったところ、I君、
「そりゃ○○さん、僕の魅力に引かれて来たんですよ」
と、しれっとした顔でのたまう。傍らのTさん、プッと吹き出して
「○○さん!これ絶対ブログに書いてくださいね!!」
と爆笑しながら言ったものである。私にしても、このようなオイシイネタを放っておく訳には参らぬ。
「そらあ、勿論でしょう」
と筆記具を探すが、メモ帳はあれどボールペンが見つからぬ。
「I君、ボールペン持ってる?」
「ありますけど」
と渡されたボールペンで先の台詞を殴り書きしたものである。・・・・・・それはそうとして。

「ところで○○さん、何か食べないんですか?」
「あのね・・・・・・私、酒飲んでるところに食べ物があると煩いのよ。そうじゃない?」
と、傍に居たTさんに話を振る。
「昨日の話で○○さんの言う“煩い”の意味は解りましたけど、私は食べ物をたくさん並べておきたいクチなんで・・・・・・」
「あ、そうなの」
「で、本当に何か食べておいた方が良いですよ」
「そうね・・・・・・じゃあ「チーズの盛り合わせ」でも貰えるかな?」
「カマンベール無いんで、その分スモークチーズになりますけど良いですか?」
「別に構わないけど」
「それじゃ、少々お待ちください」

一寸ひと息、「チーズ盛り合わせカマンベール抜き」彼の如くのやり取りの末に出てきたのがこちらの「チーズ盛り合わせ カマンベール抜きヴァージョン」である。以前に貰った「チーズ盛り合わせ」との違いは、中央にあるブルーチーズの有り無しとチーズそのものの数である。カマンベールの分を入れたとしても、スモークチーズは、以前のものは確か二切れ皿に盛られていた様な気がする。
「チーズ盛り合わせ」を選んだのは、胃壁の前に蛋白質のブロックを作り、胃がこれ以上傷つかないようにする配慮であった。が、この晩摂った固形物はこの「チーズの盛り合わせ」のみであるのだから健康には良いのか、悪いのか・・・・・・。
隣りで、S君がチーズの皿を見ながら言う。
「○○さん、ブルーチーズ食えるんですか?」
「ま、これ位ならね」
「俺、絶対駄目です。鼻に匂いが付いて・・・・・・」

「ところで○○さん、「ジェンガ」やりません?」
「やらない」
「そうスか・・・・・・」
S君、出鼻を挫かれて少々いじけてしまった様子。
「ところでさ、何で「ジェンガ」?」
「あそこにあるんスよ」
言われるままにS君が指し示した壁際を見ると、確かに「ジェンガ」が鎮座ましましている。
「何でこんなトコに「ジェンガ」があるの?」
「いや、今結構流行ってるんですよ」と、これはI君。
確かに、後に「ジェンガ」に興じるカップル客を見て唖然としたものであった。
「他にも何か欲しいスよね」
「次はDSでも置くか?」
・・・・・・何だったら私のDSを貸そうか?
あくまでも“貸すだけ”であるが。
それに、これからドラクエX・YがDSに移植されるということなので、本当に貸すとしても何年も後の話になるであろうが。

チーズを食しつつグラスを傾けると、ショートドリンクの「ブロードウェイ・サースト」であるのですぐにグラスは空になる。
「次、何にしましょう?」
Tさんに聞かれてふと思った。
折角の“デコレーションシリーズ”であるのだから、アレを頼んでみようか?
「じゃあさ、「ホーセズネック」頂戴」
「・・・・・・「ホーセズネック」抜きの「ホーセズネック」でも良いですか?別名「ブランデーバック」とも言いますけど」
「・・・・・・まぁ、別に構わないけどさ」
「ブランデーよりカルヴァドスの方が風味が良いですけど」
「任せるよ」
第三弾「ブランデーバック」といったところで、この「ブランデーバック」が出て来た。
「また変わったデコレーション付けたねぇ」
「ホテルズのカクテルはみんなこれですよ」
言われてみれば、以前『ヴィノテーク』のNさんに切り方を教えて貰ったデコレーションである。あの折に使っていたのはオレンジであったが、今回はレモンであるので少々見違えてしまった。
そして、このデコレーションを見た瞬間、S君の目がキラリと光った。
何でも、実家に帰った後、同様の(というよりもう少しカジュアルな)バーにバイトが決まったそうであるので、こういったものに目が行くのであろう。
「これ、どうやって作るんですか?」
「いや、これは原理は簡単だよ。皮を途中までこう剥いて、両方の端っこを逆切りにして、ここに先を差し込む、と・・・・・・」
「俺、これ覚えたい」
「んじゃ、手に取ってみ」
「良いんですか?」
「どうぞ」
「じゃ、遠慮なく」
抜き取ったレモンのデコレーションを渡すと、S君、ためつすがめつ眺めながら差し込んだ先端を抜き、また差し込み・・・・・・を幾度か繰り返す。
「成る程ね・・・・・・ありがとうございました」
戻ってきたデコレーションは、Tさんが用意してくれたショットグラスに落とし込む。

割り物のジンジャーエールのお蔭か「ブランデーバック」は非常に飲み易い。あっという間にグラスは空になる。チーズもあらかた片付き、後はスモークチーズの2片を残すのみである。
S君、どうしてもゲームがしたいようで、カード台に行こうと仕切りにSa君を促す。
「○○さん、S、どうしてもゲームやりたいようだから付き合ってやって貰えませんか?」
珍しくI君が私にゲームを勧める。
「じゃ、行こうか」
嬉々としてカード台に進むS君。Sa君もディーラー席にスタンバイし、それでは、と私もカード台に向かうが・・・・・・
「○○さん、そんなに俺のこと嫌いですか?」
むくれた様なS君の声に我に返る。
私は、いつもの様に端の席の椅子に座ろうとしていた。
そして、S君が既に座っているのは中央の席。
「いや、別にそんな訳じゃないけど、いつもの癖でね」
「○○さん、隣に座ってやってくださいよ」
Sa君にも言われ、苦笑いをしながらS君の隣り(実際はひとつ置いた席)に移動する。
「何か飲みます?」
「じゃ、「ジンソニック」ね」
ここで出て来た「ジンソニック」はデコレーションを付けないオーソドックスなものであった。

「ところでさ、そのカードホルダー直ったの?」
「未だ応急処置です」
この会話を皮切りに、ゲームが始まる。
“弱い”と自分で言うSa君のディーラー振りであるが、この日は中々どうして、どうして。それなりにプレイヤーを勝たせ、勝たせるばかりで無く適当なところで自分が勝ってはチップを回収する。
が、私の“バースト無し癖”は今回も健在であった。勝ちはせずともバーストも数えるほどしかしなかった・・・・・・ような気もするが定かでは無い。
ここでゲームをしているのは、ディーラーがSa君、プレイヤーが私とS君である。3人が3人とも静かにゲームをする訳ではなく、時に合いの手を入れ、時に勝った負けたと言い合う。必然的に注目を集め、
「見るだけでも良いですか?」
と仰る方もあれば(尤も「座ってご覧になれば?」とお勧めしたら苦笑いをして手を振っておられたが)、ゲームに参加したいと仰る方も出てくる。ゲームのやり方が判らぬと仰ったものの、プレイヤーの私もS君も慣れている上に「ヒット」だの「ステイ」だのと動作と言葉を両方駆使してプレイしているので、存外あっさりとゲームの進め方をご理解なさったようである。
男性の女性の2人連れが新たに加わってゲームが進められる。ここでも、Sa君のディーラー振りは変わらず、適当に負けてはここぞと言うところで勝ってチップを回収する。が、そろそろ本来のSa君のディーラー振りの片鱗も出てきたようで・・・・・・。

ラストゲームが終わったところで席を立つ。
「あれ?彼女何処行くの??」
と、同席なさった方が仰る。
「いや、一寸休憩を。それに、ゴアイサツに行かなきゃいけないトコロがもう1軒ありますんで」
「そうか。じゃ、行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
バッグを取りにI君とTさんの居るカウンター近辺に行く。
「○○さん、Mになんか義理立てしなくても良いんですよ」
と、Tさんが言う。
「う〜ん、義理立てはMさんよりTさんだね。昨日「クッキーの感想言いますんで来てください」って言われてるしね」
「え?でもあのクッキー未だ食べてないんじゃないですか?置いたままにしてありましたよ」
「まぁ、でも、行くって言っちゃったからね。取り敢えず行ってくるワ」
「そうですか。じゃ、行ってらっしゃい」
「はいよ、行ってきます」
『グランキャフェ』に行き、カクテルを3杯。相も変らぬ阿呆な話をし、ピアノの演奏に酔い痴れ、再び『ジャックポット』に戻る。

・・・・・・余談ではあるが。

今朝、雪が降った。
道路にまで積もりはしなかったものの、屋根や畑には白いものが残る位の降りであった。
その雪に気を取られて歩いていたら、側溝との段差に足を取られ、グキッと捻ってしまった。湿布はしたものの、夜になってから少々腫れてきたような状態である。

こんなとき、『グランキャフェ』のMさんが居なくて良かったと心底思ったものであった。
もしもあのオトコがその場に居たならばまたもニヤニヤ笑いを湛えてこちらに寄ってきたのであろうな・・・・・・。
posted by daydreamer at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Jackpot Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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