2008年03月26日

ゆく河の流れは・・・・・・(其の肆)

グラスが空いた。
「次、何にしましょう?」
と、これはI君。
「じゃあね、「アイスブレーカー」頂戴」
これはテキーラベースのカクテルである。テキーラ・ホワイトキュラソー・グレープフルーツジュースを2:1:2の割合でシェイカーに入れ、それにグレナデンシロップを1スプーン加え、シェイクしてロックスタイルにする。「ロングアイランドアイスティー」と匹敵する度数でありながらほんのり甘口である飲み口とロックスタイルの口当たりの良さで割りとすいすい飲んでしまうカクテルである。
が、I君、キョトンとしている。
「・・・・・・無理だったら「テキーラサンライズ」で良いよ」
「少々お待ちください」
こう言って、何処かへ出て行ってしまったものである。

しばらくして戻って来たI君、
「やっぱり「テキーラサンライズ」で」
と言いつつ、カクテルを調える。
I君、何処に行っていたのか?ローリング・ストーンズのメンバーが絶賛したと言うこのカクテル、ご覧の通りオレンジジュースが非常に多い。故にアルコールも弱めであるので、そろそろ薬が効き始めて副作用が出つつある私の胃には優しい。
しかし、此処で飲んでいると何せ明るいものだから自分の酔いには気が付き難いものである。その為、折角のカクテルもオレンジジュースの甘酸っぱさを楽しみながらアルコールが物足りぬ思いをしていたものであった。

ややあってTさんが『按針』より戻って来た。
「只今ぁ〜」
「ほい、お帰り。んじゃ、お土産」
とファイルを手渡す。
「あとさ、こんなの食べる?」
と、手渡したのは『資生堂パーラー』の季節限定「さくらチーズケーキ」。ここのチーズケーキはひと口サイズなので、手軽に食せるとあちこちで評判が良い。
「あ、ありがとうございます」
「そう言えばさ、甘いモンってどうなんだっけ?Tさんはイケルとしてもさ」
「えっと、I君は食べられますよ。Ha君はどうだっけ?」
「あ、僕も大丈夫です」
「あ、そう。Eちゃんは駄目なんだっけ?」
「僕は駄目ですねぇ」
では、丁度良いかな?これは3ヶ入りの箱であるし。
Eちゃんにはそのうち何か見繕って持って来るとしようか。

ふと気が付くと、店内がガランとしている。
どうやら花火が始まったらしい。
それなのに、スタッフの誰一人として私に花火が始まったと促しはせぬ。
私もその夜は特に興味を持たなんだので、そ知らぬ顔で飲み続ける。
「今、何時だ?」
「え〜っと、21:00一寸前ですね」
Ha君は花火後の勧誘に備えて外に出てしまった。答えたのは偶々目の前に居たEちゃんである。
「そっか。そう言や、21:00っから『グラン』でピアノの演奏が有るって聞いたっけ。一寸行って来るね」
「はい、どうぞ」
と間髪入れず答えるのはI君。カネも払っておらぬ客にこう答えられるのは、権限を持つ店長ならではであろう。
「どれ、んじゃ、一寸行って来るかな」
と「テキーラサンライズ」を飲み干して席を立ちかけると、外に出ていたTさんが店内に戻って来ていた。
「何処行くんですか?」
「『グラン』」
「○○さん、別にMの顔見に行かなくっても良いんですよ」
「何でMの顔見に行くのよ。これからピアノの演奏があるんだってば」
「そうですよね」
こう言いながら、Tさん、またもや外に出て行ってしまった。
頃は良しと私も『グランキャフェ』に行き、ピアノを聴きながら2杯程を飲み、再び『ジャックポット』に戻る。
posted by daydreamer at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | Jackpot Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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