2008年05月25日

更けゆく晩春の宵に(其の玖)

話は、土産に持ってきた「スティックケーキ」に及んだ。
「○○さん、いつもお土産ありがとうございます」
「いえいえ、どうも」
「で、一寸思ったんですけど・・・・・・」
「はい?」
「フツー、ハウステンボスに来るお客さんは帰るときに荷物が増えるんですよね」
「ま、そーね」
「○○さんの場合、帰るときに荷物が減るんじゃないですか?」
「ま、そーだね」
・・・・・・尤も、今回は閉店セールを行っていた『トラベルマンコレクション』でしこたまTシャツを購入したので少々荷物は増えたのであるが。
さて、次は何を買っていこうか?偶にはオーソドックスな東京土産である「東京ばな奈」なども面白いやも知れぬな。そうすると、好みによっては「黒べエ」なども外せぬやも知れぬし・・・・・・まったくもって悩みの尽きぬことである。
何せこういう機会でもなければ甘いモノは購入することも無い。が、あれこれと並ぶスイーツは購入してこそはじめて面白みが沸くのである。故に、私の“土産配り”は今後も止むことは無いであろう・・・・・・と思う。

この日は珍しくゲームに遅くまで興じる客はいなかった。
帰る足も何時もより早めであっただろう。ボツボツと客が帰り始め、ラストオーダー前には客は店の半分を占めるほどになった。
すると、ふいっと人影が動いた。
「じゃ、お先に失礼します」
と声を掛けたのはHa君であった。
私は、訝しげな顔をしたのであろう。
「どうかしました?」
と、これはTさん。
「いや、“シンデレラ”はEちゃんだったような気がしたんでね」
「Eちゃんは今ウチの主力ですから帰す訳にはいきませんよ」
「あ、そうなんだ」
カウンターの向こうでI君もうんうんと頷く。
「んじゃ、どうもね」
と、Ha君に手を振る。スイッと会釈し、廊下側の出口から出て行く。

ラストオーダーを聞きにスタッフが回り始めた。こういうときは手近なカウンターの客に最初に聞くものだと思っていたが、大抵は、先ずテーブル席の客にラストオーダーを聞いて回り、カウンターの客(この場合は私)には最後にラストオーダーを聞く。
スタッフが自分の周りから離れたので、グラスを干し、煙草に火を付ける。ふうっと一服すると、ラストオーダーを取りまとめたスタッフがカウンターに戻ってくる。
「○○さん、ラストオーダーどうします?」
「そうね・・・・・・2杯頼んでも良い?」
「はい、どうぞ」
「じゃね、「デ・リーフデ」と「XYZ」お願い」
「畏まりました」
ちゃんと飲み切ったのは「デリーフデ」が最後先ずは「デ・リーフデ」が出てくる。
ひと口、含む。
相も変わらずブルーベリーの香りが心地良い。
カウンターの中を見ると、一通り注文の品が出たようでホッとした雰囲気が伝わってくる。
シンクの中にはテーブル席から戻って来たグラスや食器が積んである。これを洗い、片づけた頃、また人影が動いた。
「じゃ、お先に失礼します」
「はいはい、どうもね」
と、Ha君と同様に手を振る。手にはしっかりと「錦松梅」を握り締め、すっと会釈をして出て行く。

テーブル席の客も、三々五々と勘定を済ませて出て行く。
「○○さん、飲んでて良いから先にお会計お願いします」
と、I君が伝票を出してきた。カネを払い、釣りを受け取るうちに他の客は全員出てしまったらしい。
テーブルのグラスや皿を回収し、片付けをする。
私はそれを見ながら未だ飲んでいる。
ふっと、照明が落ちた。
posted by daydreamer at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | Amstelveen Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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