2007年10月28日

やさしさの、ひととき(其の拾壱)

『グラン・キャフェ』でカクテルを2杯飲み、『カフェ・デ・ハーフェン』に戻って来たのは23:30に程近い時刻であった。
「ラストオーダーですけど、どうします?」
と、Tさんに言われてしばし考え込む。頬杖をつき、頭にカクテルのメニューを思い浮かべながら人差し指でカウンターのデルフト焼をトントンと叩きながら・・・・・・。
時間が無いのだから、凝ったものや頭を使わねばならぬお任せのものは頼む訳にはいくまい。
片付けに時間を余計に食うから、シェイカーやミキシンググラスを汚すようなものも避けたい。
矢張りここはオーソドックスなビルドタイプ(グラスに材料を注ぎいれて混ぜ合わせるタイプ)のものが無難であろう。
ならば・・・・・・
「んじゃ、「ジンリッキー」ね」

10.7「ジンリッキー」Tさん、パッパと「ジンリッキー」を作り、出す。
これは、ソーダでグラスを満たすので、ジンジャーエールを使う「ジンバック」やトニックウォーターを使う「ジントニック」などよりもずっとサッパリと飲めるのが良く、好んであちこちで注文するカクテルである。このカクテルは、レモンまたはライムを使うのであるが、ここ『ハーフェン』ではレモンを使うタイプのものを出すらしい。

「Mさんにね、“ハウステンボスのチャン・ドン・ゴン”の話をしたらさ、自分はアンチ韓流だって言ってたね、アノヒト」
「まぁ、自分で言ってる訳じゃ無いですからね」
それは、まぁ、そうなのだが。
尤も、それでは話が面白くならぬので、Mさんとの会話の中では自分で吹聴しているかの如く話を膨らませてきたのである。
ここで、ふとシンクの方を見ると、新米君が洗いもの(片づけもの)をしている。
「そう言えば、2日も来てて全く話が出来なかったけど・・・・・・」
「そうですね」
「ここには何時から入ったの?前に7月に来たときにはお見掛けしなかったように思うけど」
「僕ですか?8月からです」
「あ、そうなんだ。だから見覚えが無かったんだな。で、お名前は?」
「Saです」
「Sa君ね。○○です。どうぞよろしく」
「こちらこそ」
S君のように物慣れている訳では無い。が、H君のように堅苦しさがある訳でも無い。言ってみれば、現代の若いおニイちゃんの典型のような印象を受ける、Sa君である。
未だ緊張が取れぬ様子であるが、もう少し慣れればかなり面白いキャラクターになりそうだと今から楽しみにしているものである。実際、愛想の良さはS君に匹敵する感じであるし。

ふと入口を見ると、ふらりとMさんが『ムーンシャワー』から戻って来た。
「Mちゃんは今日は居なかったね」
「ああ、『ムーンシャワー』には居ませんでしたね。あのコ『グラン・キャフェ』の方に居ましたから」
「あれ?そうなの??」
「そうなんですよ。私もビックリしました」
もしかしたら、一時クローズの話があった(が、実際はクローズされる期間は全く無かった)際に『ムーンシャワー』は待機のスタッフの人数を絞り込み、あちこち(主に『グラン・キャフェ』辺り)に応援に出しているのやも知れぬと思ったものである。
隣りで、席に座っている◆◆さん、話を聞きながらにこにこと飲んでいる。

すると、Mさんがついっと◆◆さんの隣の席に行き、話を始めた。内容までは定かでは無いが
「ここはテーマパークですからもっと法解釈も緩やかなものにして・・・・・・」
などと話をしているものの、かなり酒の入った状態である(しかも『ムーンシャワー』迄の階段を上り下りしているので余計に回っていたことであろう)為、既に呂律は回っていない。但し口調はやや強め、勢いも無くは無いので◆◆さん、笑みを浮かべながらも困惑した雰囲気は隠せぬ。
仕方が無いので、レジの前に居たTaさんに勘定のサイン(左手をメモや計算書に見立て、右手で何かを書くかの如くの手まねをする。左利きの場合は逆手になる)を送る。心得て、Taさん、さっと計算を済ませ、我々の前に勘定書が出てくる。
私が支払いを済ませて荷物をまとめている間に、Mさん、支払いをする。
「じゃ、また」
「はい、今日はありがとうございました」
などと挨拶をしてから店を出ては行くものの、心なしか足元が覚束無いような・・・・・・。この日の宿泊は『ホテルアムステルダム』であるのだから、部屋迄はそれ程でも無く辿り着いたとは思われるが。

「じゃ、私もこれで」
「はい、ありがとうございました。お休みなさい」
と、Taさんと挨拶をして席を離れた。
「それでは、どうもありがとうございました。失礼します」
「はい。じゃ、また」
と、これは◆◆さんと。
離れたところに居たTさんとは、海側の出口へ向かって歩き出したとき、言葉を交わした。
「ありがとうございました」
「はい、どうも」
「○○さん、次は何時になります?」
「12月」
「?」
「誕生月!」
「はい、判りました」
ドアを開けると、思いも寄らず月明かりが眩しい夜であった。

誤解を招かぬよう、追記を
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2007年10月25日

やさしさの、ひととき(其の拾)

ここ『カフェ・デ・ハーフェン』は、スタッフが若手で占められている所為か気安い雰囲気であり、冗談話や馬鹿話に興じていることが結構ある。元々は《カジノバー》として、もう少し社交場的なものをイメージしていたのではないかと思われるのだが・・・・・・あせあせ(飛び散る汗)
(それが証拠にスタッフの制服はホテルバーや『グラン・キャフェ』などと同じものである)
尤も、リニューアルオープン時のスタッフがTさんやMさん(当時の店長のNaさんはイベント開催の為もあって『ムーンシャワー』に行きっきりになることも多かったようであるし・・・・・・)では、重厚な雰囲気など作ろうにも作れぬのではないかと思われる節も多々ある故に致し方あるまい。

それはさておき。

また、グラスが空になった。
「次は何にしましょう?」
「そうね・・・・・・昨日の「スロージン」を使って何か作ってくれます?」
と、注文する。
「じゃ、昨日は私が作ったから今日は●君ね」
と、Tさん。
何も言わずスッスッと材料を揃え、カクテルを作るTaさん。

10.7「クラウディー・スカイ・リッキー」アレンジヴァージョン「これは、何ですか?」
「「クラウディー・スカイ・リッキー」のアレンジヴァージョンです」
済ました顔で、Taさんが言う。
「あれ?昨日Tさんが作ってくれたのも「クラウディー・スカイ・リッキー」のアレンジじゃなかったっけ?」
「そうですね」
と、Tさん。
他にバリエーションは無いのか?
ともあれ、口に含む。
これは、少々炭酸が強いカクテルである。炭酸自体は嫌いでは無いが、あまり口にせぬ私であるのでこればかりはTさんに軍配が上がるか?思ったよりも甘みも口に残るかの如くの味わいであるような気もするし。

ところで、斯くの如くスタッフとの会話を主に書いていると、少々誤解を招くやも知れぬのでお断りしておく。
この日も、前日も『ハーフェン』は結構客が入り、忙しかったのである。その為、スタッフが忙しく立ち働いているのはお察しの通り。しかし、「スタッフが走り回っていた」と書いても面白くも何とも無いので、こちらでは私とスタッフ他との会話を中心に文章にしているのである。
故に、こんなシーンも出てくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Tさん、ドリンクを調える。
Taさん、フードを調えるのが一段落し、やれやれと奥から出てくる。
それを目ざとく見つけたTさん、
「●君、これ△番テーブルね」
何も言わず、Taさん、調えられたドリンクを運ぶ。
Tさん、後片付けがてらカウンターで客の相手をする。
「アンタねぇ・・・・・・店長をあごで使いなさんなよ」
「大丈夫ですよ、●君なら」
「(戻って来たTaさんに)アンタもアンタだ。店長なんだからもっとドンと構えてなさい」
「でも、ここ、“店長”って構える雰囲気じゃないですよね」
「だけどさぁ・・・・・・」
「(声を潜めて)年上には逆らえないですよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と言っても、これで何となくも危うくもバランスは取れているようであるし、これ以上は部外者がどーのこーのと口に出すことでもあるまい。

「そうそう、○○さん、Mなんですけどね」
と、Tさん、現在『グラン・キャフェ』のバーテンダーであるMさんの話題を振る。
「ああ、Mさんね。どうかしたの?」
「今ですね、“ハウステンボスのチャン・ドン・ゴン”って言われてるんですよ」
「何?“チャン・ドン・ゴン”だぁ??」
「はい」
「また面白いコトを・・・・・・これは『グラン・キャフェ』行ってからかって来なきゃならないな」
横でMさん、
「僕は『ムーンシャワー』へ行こうかな。久々にメニューもチェックしたいし」
「あ、『ムーンシャワー』だったらMちゃん居ますね」
「あれ?辞めたんじゃなかったの?」
「いや、Mちゃんは居ますよ。Aちゃんの方は知りませんけど」
・・・・・・そう、以前の記事では誤解を招くような書き方をしてしまったが、『ハーフェン』の前任のバイトであるMちゃんは、現在『ハーフェン』に所属するS君と入れ替わりに『ムーンシャワー』に異動したのである。

この辺りでS君、カウンターの方に来る。
「いや・・・・・・疲れましたね」
「お疲れさん。ずっとディーラーで気も使うやろ?」
「それもそうですけど、俺、今、あんまり寝て無いんですよ」
「ん?どうした?」
「今、論文仕上げてるんで睡眠時間2〜3時間なんですよね・・・・・・」
聞けば、その論文が通れば格安でハワイへの短期研修が出来るとのこと。それも、ショートステイなどでは無くホテル滞在での研修なのだそうである。
「へぇ、凄いじゃん。頑張れ」
「ありがとうございます」
「それにしてもなぁ・・・・・・そうなると“慣れたバイトさん”が居なくなっちゃうんだなぁ・・・・・・」
「でも、俺、ここに所属になってトータルで2ヶ月と一寸しか居ないですよ。だから、一番新米です」
「何言ってんだか。その前に『ムーンシャワー』にどれだけ居たのよ?」
ニヤリと、S君が笑う。

気が付けば、時刻は23:00に近くなっている。
「じゃ、本当に『グラン・キャフェ』行ってアノヒトからかってくるワ」
「本当に行くんですか?」
「まぁ、ね。季節のカクテルも飲んでみたいしね」
「じゃ、僕も『ムーンシャワー』に・・・・・・」
私とMさん、揃って席を立つ。
「じゃ、一寸行って来るね」
と、『ハーフェン』を出る。
またも勘定を払わぬままで・・・・・・たらーっ(汗)
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2007年10月24日

やさしさの、ひととき(其の玖)

馬鹿話に興じている間に、グラスは空になっていた。
「次、何行きます?」
「そうね・・・・・・昨日作って貰ったブルーベリーのカクテルね、あれ、美味しかったからまた飲みたいな」
「畏まりました。●君」
と、TさんがTaさんを呼ぶ。
「○○さんね、昨日のオリジナルがまた飲みたいって」
「はい、畏まりました」

10.7「ブルーベリーリキュールのオリジナル」Taさんに再び作って貰ったカクテルである。これは、先の画像とは違い、カクテルを主体にして撮ったので、鮮やかな色をご覧頂けるのではないかと思う。
前日と同様、先ずは香りを堪能する。そして、口に含み、鼻腔に抜ける香りと仄かな甘みを楽しむ。
「うん、やっぱりこれ美味しいな。また次も頂きたい位だよ」
Taさん、気の所為か顔が綻んでいるようである。
「○○さん、それだけ気に入ったんなら「○○スペシャル」とでも言ったらどうです?」
と、Tさん。
そういうネーミングはちょっと・・・・・・たらーっ(汗)

この辺りで、先にオレンジ広場で別れたMさんが店内に入ってきた。
「どうも」
と、席を探すが、私の右隣は既に塞がっている。が、隣の方々のそのまた隣の席は空いている。
「あ、じゃあ・・・・・・」
と、Tさん、ゲームに興じておられる隣席の方のグラスとおしぼりをずらす。
「大丈夫なの?そんなことして」
「大丈夫ですよ」
ま、隣席の方々が離れ離れになる訳では無し、何とかなるであろう。・・・・・・と思う。
Mさん、私の右隣に席を占める。

「◇◇さん(Mさん)、何にします?」
「うーん、今腹一杯だからね、何が良いかな?」
「じゃ、ブランデーなんかどうです?」
と、口を挟む。無論のこと、同席していたのだからMさんが散々『戎座』で飲んでいるのは承知の上である。
「ブランデーねぇ・・・・・・一寸飲み過ぎてるからなぁ・・・・・・」
と、Mさん。
「あ、でも、お腹一杯の方にブランデーはよく勧めますよ」
と、これはTさん。
・・・・・・結局、Mさんもそれ程強くないものをチョイスして注文し、グラスが運ばれる。

Mさんの話題は、専らたった今見てきたステージのコトについてであった。Mさん、ステージがいたくお気に召した様子である。
また、ステージ傍で販売しているCDにサインを入れるサーヴィスをしていたという話も出た。これを聞いて、前日のヴァイオリニストの方のCDを購入しなかったことを後悔したものであった。

さて、その隣りの外国人の方々は、そろそろお開きにしたい頃合いのようである。そこで、目の前のH君に
「Check it」
「?」
「Check it」
「・・・・・・あのな、勘定だ、勘定」
ここで口を挟むのは、無論のこと酒で口が軽くなった私である。
H君、慌てて伝票を探すが、その前にTaさんが伝票を手にして金額を提示していた。
支払いを済ませ、出て行くふたりの外国人客。
「H君さぁ、大学生なんだから英語くらい勉強しときなさいね。Tさんだって英語でやり取りしてるよ」
「まぁ、咄嗟に英語は出てこないでしょう」
と、宥めるような口調のMさん。幾らバイトとは言え客商売にそれは甘過ぎるのではないかと思うが・・・・・・。

「今のふたりは、基地から来てるんですよ」
と、今まで相手をしていた◆◆さんが仰る。
「へぇ、そうなんですか」
「そうそう。こんな近くにこんな良い所があったなんて、って驚いてたよ」
「はい」
「もっとそっちにもアピールしなきゃならんかなぁ」
と、ひとりごちておられる。
こちらの席が空いたところで、Mさん、私の右隣から左隣へ席を移動した。◆◆さんも、こちらへひとつ席を寄せる。必然的に、3人が並んで座る状態となる。
「今ね、中国にハマってるんですよ。だからね、ほら」
と、◆◆さん、手にした文庫本をこちらに示す。
成る程、宮城野昌光氏の著書である。この方は、史記の頃の中国ものの小説を得意としている。
「あ、その方が孟嘗君の小説を新聞で連載してるのを読んだことあります」
「そう。これはね、それよりもっと古い夏王朝の頃の話」
「夏王朝、ですか」
「そうそう。殷王朝の前の王朝」
「あ、じゃあ、確か、薬草を広めた、っていう皇帝(神農氏)が居た頃の話でしたっけ?」
こういう話は私も好きであるので、幾らかであれば着いていけなくも無い。
「あ、そう言えば、◇◇さん、○○さんと『戎座』行かれたんですよね」
「そうだね」
「今度私も連れてってくださいよ」
懲りずに話題を振るTさん。
「そうだな、◇◇さんなら良いよな」
と、◆◆さん迄もが調子を合わせる。
・・・・・・えー加減にせーよ、アンタら。
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2007年10月23日

やさしさの、ひととき(其の捌)

翌日。
昼寝の後、17:00少し前に『ヴィノテーク』前に差し掛かると、思いもよらずドアは開いている。
覗いてみると、カウンターの中には既にNさんが居たので
「早いですか?」
「いえいえ、どうぞ」
とのことであったので、喜んで入り、そのまま食前酒(カクテル)を3杯。
その後、『戎座』で旧知のMさん(◇◇さん)と合流して「西海」コースを食した。この件は、前に書いた「『戎座』開業記念メニュー「西海」其の壱〜参」に記載した通り。
食事が終わって『戎座』を出ると、花火はとうに終了し、「SASEBO MUSIC FESTIVAL」も終わっている時間であったにも拘らず、ステージでは未だ演奏が行われていた。
折角なので、と、Mさんは演奏を聴きにオレンジ広場に向かい、私はゆるりと飲んだくれる為に『カフェ・デ・ハーフェン』へと直行した。
何のかのとかなりの酒が入っているにも拘らず・・・・・・たらーっ(汗)

さて、『ハーフェン』の店内に入ると“いつもの席”には男性客が既に腰掛けていた。そこでカウンターを見回すと・・・・・・◆◆さんが外国人おふたりと並んで腰掛けている、その隣席のみが空いている。
此度はよくよく縁があるもの・・・・・・とは思ったが、◆◆さんはお隣の方々と話が弾んでいる。その為、こちらにまであれこれと話が飛び火することもあるまい、と、空席に腰を下ろした。

「○○さん、『戎座』どうでした?」
と、Tさん。
「いやぁ、食べ過ぎたよ。量が多くてね・・・・・・」
と、答える。そして、何が出たかを聞くTさんに、デジカメの画像を見せながらメニューのあれこれの話をする。
「良いなぁ・・・・・・◆◆さん、私も連れてってくださいよ」
Tさん、ここで◆◆さんの方を向き、丁度話が途切れた◆◆さんに向かってトンデモナイコトを言い出す。
「あのなぁ、T、お前は顔が知られてるだろう」
と、呆れ顔の◆◆さん。
私も、
「Tさん、おたくの会社の従業員、いったい何人いるのよ?」
と、Tさんに言う。
Tさん、あちこちの部署を回っている為に(特にホテルは『シェヘラザード』に所属しながら全てのホテルバーに行っている)社内でも案外広範囲で顔が知られており、また、昨年の「ステイブック」にもしっかり顔写真が掲載されていたこともあって(それで『るるぶ』には文句を付けるのだから不思議である)客の方にもそれなりに顔が知られている(であろう)ヒトなのである。
それがオゴリで『戎座』に行ったなどと言うと・・・・・・どこでどのような話になるか判らぬではないか。

「ところで、何にします?」
「ええもう、何でも」
「?」
「いや、もうお姐さまの仰せの通りで。昨日、散々苛めたんで」
「何かありましたっけ?」
・・・・・・こういうトコロがTさんらしいと言えなくも無い。

10.7「ジンとクランベリーのオリジナル」取り敢えず、私の好きなジンとTさんの好きなクランベリーでカクテルを作って貰う。
何せまだまだ『戎座』で貰ったあれこれが胃の中に詰まっている。これを消化せぬことには、酒すらも入る場所は無いであろう。
こういうときにはTさんの“アルコール強め”のカクテルは重宝である。流石に飲み過ぎているのでブランデーは喉を通らぬが、こういう酸味の程好く効いたカクテルは好きなものですっと飲めるのである。

飲みながら、話が始まる。
「○○さん、昨日、私「キッス・オブ・ファイヤー」出しましたよね」
「そうだったね」
「あれ、意味解りました?」
「へ?あれに何か意味あったの??」
「はい」
「何だろう・・・・・・解らないなぁ・・・・・・」
「昨日、▼ちゃん(H君)が帰るときに手を振った、って話がありましたよね」
「うんうん」
「だからね、○○さんが帰るときにはチューしてあげようと思って「キッス・オブ・ファイヤー」揺れるハート
「いらねーよっ!むかっ(怒り)

・・・・・・ド阿呆。
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やさしさの、ひととき(其の漆)

阿呆な話をしながら、ふと時計を見た。
げっ!もう22:00近くになっている。
「いかん、もう『ヴィノ』へ行かなきゃ!」
「どうしたんですか?」
「いや、今日さ、宿泊特典で『ヴィノ』の飲み放題のコースに行かなきゃならんのよ。だから、もうそろそろ出なきゃね・・・・・・」
「あ、そうなんですか」
「そうそう。だから、ラストに1杯ね」

今宵の“ラストカクテル”を作るのはTさんである。
「○○さん、甘いの大丈夫ですか?」
「そうね・・・・・・今日は一寸位なら何とかなるかな?」
「じゃあ・・・・・・」
と、Tさん、グラスを取り出す。
と同時にレモンを半割にしたものを取り出し、グラスの縁を湿らす。
「あ、スノースタイル?」
「そうですけど」
「それ、塩じゃないよね?」
「これはグラニュー糖ですね」
「あ、それなら良いけど・・・・・・私、塩のスノースタイル苦手なのよ」
「あ、そうなんですか?」
「うん。だからね、都内によく行くバーでもね」
「はい」
「取り敢えず最初に作って貰うの「ソルティドッグ」じゃ無くて「ブルドッグ」(「ソルティドッグ」の塩無しヴァージョン)だったりするんだよね」
Tさん、グラスの縁を湿らせてから、小皿に取ったグラニュー糖にグラスの縁を回し、グラニュー糖を付けて「スノースタイル」にする。何かを考え考えグラニュー糖を付け、途中で手を止めてまた何かを考え、半分と一寸グラニュー糖を付けたところで再度手を止めてグラスを持ち上げ、布巾で半分を超えたところのグラニュー糖を落とす。所謂「ハーフムーン」の状態である。
その後、先にカクテルに使ったスロージンと、その他の材料をシェイカーに入れ、シェイクしてカクテルグラスに注ぐ。

10.6「キッス・オブ・ファイヤー」出来上がったのがこのカクテルである。
「これは、何?」
「「キッス・オブ・ファイヤー」です」
これは、ウォッカやらベルモットやらが入っているのでそれなりに強いカクテルである。そして、今迄のリキュールベースのカクテルとは違い、少々刺激的な飲み口である。
が、スロージンの甘酸っぱさが飲み易さを演出し、すいっと入ってしまう。

カクテルには、結構セクシャルなネーミングのモノがあるように思う。
例えば、「ビトウィーン・ザ・シーツ」。
例えば、「ラバーズ・ドリーム」。
例えば、「キス・イン・ザ・ダーク」。
例えば、「オーガズム」。
例えば、「キス・ミー・クイック」。
(その反面「エンジェル・キッス」だの「チャイルド・ドリーム」だの「プチ・ハート」だのという可愛らしいネーミングのモノもままあるのだからカクテルは侮れない)
そう言えば、昨年の夏にはMちゃんが「セックス・オン・ザ・ビーチ」のオーダー(メニューには無いが、それの“アレンジ版”をTさんが調えていた)を取って来て困惑顔をしていたことを思い出した。
そして、この「キッス・オブ・ファイヤー」も、どちらかというとセクシャルなネーミングのものに分類されると思われるカクテルである。
(また妙なモノを・・・・・・)
とは思ったが、これは、私が喜んだスロージンを使ってくれたのであろう、と気にも留めず口にしたものであった。

先ず、砂糖の付いている部分から口を付けた。
・・・・・・当然、甘い。
砂糖が口の中に何時までも残るようである。
そこで、砂糖の付いていない部分を口にした。
「あ、こっちの方が美味しい」
やっぱり、という顔でTさんがこちらを見る。
何時までもとゆっくり味わいたい気もしたが、時間も気に掛かるのですいすいっと飲んでしまった。

「じゃ、お勘定を」
と、レジの前にいたTaさんに告げる。
「えーっと・・・・・・おっとびっくり、¥5,000ピッタリです」
と、勘定書が目の前に出される。
これには私も驚いた。
が、支払いを済ませて出てきたレシートを見ても、確かに¥5,000である。あれだけ飲んだり食べたりしていながらこの勘定で済んでしまうとは・・・・・・。しかも、この日に飲んだカクテルは最初の「スプモーニ」以外はメニューに載っていないモノだというのに・・・・・・あせあせ(飛び散る汗)
矢張り、『カフェ・デ・ハーフェン』は安い。
支払いを済ませ、釣りを貰い、荷物を肩に担ぐと
「じゃ、すみません、これで失礼します」
と、隣りの◆◆さんにご挨拶をし、
「ありがとうございました」
の声に送られて『ハーフェン』を出る。

この後、『ヴィノテーク』で、特典の「レジェ・コース」(一番安い飲み放題のコース)を、差額を支払って「コルセ・コース」(一番高い飲み放題のコース)にアップグレードしたものの、『ハーフェン』でいい加減飲んでしまったこともあり、また、その他諸々の事情で白ワインとシャンパンを1杯ずつ“だけ”飲んで部屋に戻り、就寝したものであった。
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2007年10月21日

やさしさの、ひととき(其の陸)

この“よく見える方”(以下◆◆さんとお呼びする)と私が最初にお会いしたのは『ヴィノテーク』であり(Tさんはその頃『ヴィノテーク』に居た)、その頃は◆◆さんも気を使ってあれこれと話しかけてくださったりしたものであるが、今や双方ともすっかり慣れ、気が向いたときにちょこちょこと会話を交わす程度である。
それが証拠に、前回お会いしたときには私がすっかり眠りこけていたし、今回は◆◆さんが本を無心に読んでいたのであるから。
(しかし、酒を飲みながらよく本が読めるものである。私はド近眼の所為もあってか、活字中毒を自認しているにも拘らず、酒を飲みながら本を読むなどと言う芸当は到底出来ぬというのに・・・・・・)
・・・・・・が、『ハーフェン』のスタッフを交えての会話には双方が結構参加していたりもするのである。

さて、この◆◆さん、仕事であちこち飛び回っている方で、また、プライベートでも外国に行ったりすることもあってか、結構外国のあちこちで口にしたものの話題を出すことが多い。
「「ペリエミント」無いの?」
「「ペリエミント」ですか?」
「そうそう。パリで出てきたんだけど、「ペリエ」にフレッシュミントを入れたヤツ」
「・・・・・・「ペリエ」なんか置いてあるの『シェヘラ』くらいじゃないですか?」
当惑した表情で答えるTさん。
それはそうであろう。
ここ『カフェ・デ・ハーフェン』でも、『ヴィノテーク』でも、手元を見ていると使っているのは普通のミネラルウォーター(当然国産)くらいではないかと思われるし、そもそも「ペリエ」(フランス産のガス入りミネラルウォーター)の需要が『ハーフェン』の如き気軽なスナックバーのような場所においてあることなどありそうも無いが・・・・・・。フレッシュミントくらいならば場内のどこかで摘んでくることが出来そうかとも思われるが。
「向こうでは「ペリエミント」とか「エビアンミント」とか、色んなものが選べるよ」
と、こちらを向く。
「まぁ、向こうはミネラルウォーターを飲む食文化が昔から発達してますからねぇ・・・・・・」
・・・・・・というのも、ヨーロッパでは下水を早くから作ってしまったが為に自然水の汚染が酷く(何せ全く処理をしていない生の下水がテームズ川やセーヌ川に放流されていたこともあったという話があるくらいである)、水道の水が飲めるレベルでは無いので“水は購入するもの”としてミネラルウォーターの商品化が早くから進んでいたという事実があるのだ。故に、消費者の要求として様々な商品が発達し、それに伴って飲み方もまた様々に発達していくのもまた当然であろう。・・・・・・それはさておき。
この話の最中に、丁度◆◆さんの携帯が鳴った。どうやら仕事がらみの話であるらしい。中国語でやり取りを始めた◆◆さんを横目に、私を含めた全員がほっと肩を下ろす。

この日は、バイトのH君は早めに上がるシフトであったようで、21:30を少し回ったところで
「じゃ、そろそろ失礼します」
と、カウンター内のスタッフに挨拶をして出る。
「は〜い、じゃ、また明日ね」
と、Tさんが手を振る。
それを目ざとく見つけたS君、
「○○さん、俺、Tさんに手を振って見送ってもらったこと無いですよ」
と、拗ねる。
「ありゃあ、そうなんだ」
「そうですよ。アイツだけ特別なんですもん」
「良いの!▼ちゃんはアタシの心の支えなんだから」
それは、私が“H君に灰皿を頼んだ”あのシチュエーションよりもあからさまな“H君贔屓”だと思うが・・・・・・。あせあせ(飛び散る汗)

ここで、新たに客が店内に入ってきた。
「いらっしゃいませ」
と、スタッフが口々に迎える。
・・・・・・ん?Tさんの声のトーンが違う??
「そう言えばさぁ、Tさん、アタシに「いらっしゃいませ」って言ったことあったっけ?」
「言ってますよぉ」
「そうかぁ?あんなに可愛い声で「いらっしゃいませ」なんて言われたこと無いよ、アタシ」
「え〜、だって、○○さん、いつも入ってくるときニヤッて笑って入ってくるじゃないですか」
・・・・・・それは理由にならんだろう・・・・・・たらーっ(汗)

この間、隣り(と言っても、私との間には紙袋を置いていたので席としては“ひとつ置いた席”である)の◆◆さん、電話を終えてから、そ知らぬ顔をして本に熱中しておられたものであった。
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2007年10月20日

やさしさの、ひととき(其の伍)

ところで、“物慣れた”バイトのS君であるが、この辺りでブラックジャックのディーラーを終え、ふっとカウンターの方へ来た。
「どうも、こんばんは」
「はい、お久し振り」
スッとそばで挨拶をすると、ふらりとカウンターへ行きかける。
ここで、例のブツを思い出した。
「S君、ちょっと」
「何ですか?」
「ほれ、この間“持って来る”って言ってたのがあったっしょ?」
「あ・・・・・・もしかして」
こういう言い方をするとき、持っているものは無論のこと見当が付いているお姐さまが、流し目でこちらを睨んでいるのがハッキリと見て取れる。が、これは前回の帰国時にした約束なので致し方無かろう。
「ほれっ!じっくり見比べなさい」
と、ここで一転、カウンターに該当のページを開いた『るるぶ』をドンと置く。S君、写真を見ると一瞬キョトンとしたような表情を見せたが、すかさず当のTさんを見やり、もう一度写真に目を落とし、
「ハハハハハ!」
と、大爆笑。ブウッと膨れて
「○○さん!出入り禁止です!!」
と、Tさん。
「仕様が無いでしょうが。約束だったんだから」
「でも、全員に見せなくても良いじゃないですか」
「でもさぁ、この写真、マトモに正面向いて撮られてるでしょうが。見せるのヤだったら撮られなきゃ良かったでしょうに」
「あの頃はそれでいっぱいいっぱいだったんですよ」
・・・・・・確かに、今、その依頼が来たら
「アンタモデルになんなさい」
と仕切る立場になるであろうな。というコトは、この頃はこのTさんも仕切られる立場にあった訳か・・・・・・。
まぁ、取り敢えずこの『るるぶ』も一巡りしたことであるし、そろそろ我が家の本棚に納めておくことにしようか。

笑いを収めたS君が、カウンターに入ってくる。
「俺、先月研修でひと月居なかったんですよ」
「ありゃま。何処行ってたの?」
「えーと、佐賀の・・・・・・」
然るところにある特養であったらしい。
そこで、入所者のケアの手伝いをしていたのだそうな。人当たりも良いS君のことであるし、力仕事はお手の物であったようだが
「いや、食事の世話の時には閉口しましたよ」
「あ、そ」
「あの“ミキサー食”って見てるだけでもキツイですよね」
「あ、それは解るワ。私も実習でヤったコトあるし」
「あぁ、それじゃあ・・・・・・。Tさん、“ミキサー食”って知ってます?」
と、何故か隣りのTさんに話を振る。
「離乳食みたいなヤツ?」
と、Tさん。
「うんにゃ、違う違う」
「全っ然違います!」
と、2人で揃って否定。
この“ミキサー食”というのは、病気だったり年を取ったりして食事が飲み込めなくなった方に提供されるもので、その名の通り料理をミキサーに掛けてドロドロにしたものである。
「あれ、見てるだけでも食欲無くなるでしょ?」
「本当にそう思いました。でもあれ、色はああですけど・・・・・・」
「ま、色はね・・・・・・」
「でも、唐揚げなんかは唐揚げの匂いがするんですよね」
「ひとつひとつの料理ごとだからねぇ。幾ら何でも」
〜〜〜これ以上の詳細を記すことはこの場では控えさせて頂こう〜〜〜

10.6「?」「そろそろ強いのいってみます?」
と、空になったグラスをみてTさんがお代わりを作ってくれた。これも、何かのアレンジヴァージョンと聞いたような気がするが、定かでは無い。
味は、酸味が結構効いている。アルコールの味は勿論あるが、酸味と上手くバランスを取って突出した感じはせぬ。が、矢張りそこはTさん、胃の腑にじわりと来る感覚は健在である。

ここで、何のかのとここ『ハーフェン』で良く会う方が見えた。
「どうも」
「こんばんは、ご無沙汰してます。先日は眠ってしまっていて大変失礼しました」
「いやいや」
と、荷物をカウンターの一席に置き、手洗いに立つ。
「○○さん、“マズイ人に捕まったな”って思ってません?」
「いや、特には・・・・・・」
Tさんと思わず顔を見合わせる。
そこへ、ご当人が戻って来られた。
「今回は、何泊ですか?」
「今日と明日の2泊です。この連休を使ってきましたので」
「あぁ、そうですか。で、今年は何回目ですか?」
「え〜と(と、指折り数えて)、4回目ですね」
これは、この方とのいつもの会話である。
「そうそう、そう言えば、これ、読みますか?」
と、紙袋をゴソゴソ探り、雑誌を2冊取り出す。
「最新号なんだけどね。読み終わったもので」
「ゴミになるだけだし、○○さん、断って良いですよ」
と、カウンターの中のTさんが口を挟む。
「いやいや、丁度読むものが無くなったことだし、部屋で読ませて頂きますよ。ありがとうございます」
と、雑誌を受け取ってカバンに入れる。
この“読むものがなくなった”のは事実である。それに、活字中毒の私である故、読むものは幾らあっても困らぬのもまた事実である。・・・・・・尤も、流石に帰りの行程にまで持って行くのは憚られたので、申し訳ないと思いつつも部屋に残してきたのであるが。
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やさしさの、ひととき(其の肆)

「そう言えば、また見慣れない顔がいるね」
「あ、彼ですか?」
「そうそう」
先刻からここを出たり入ったりしている新米バイト君である。
「何だか随分忙しそうだよね」
「ええまぁ、ちょっと・・・・・・」
「・・・・・・ところでさ、ワタシ、自分の商売の所為かあそこに置いてある「生ハムサラダ」がずーっと気になってるんだけど・・・・・・」
「・・・・・・それは、私もです」
Tさんと思わず顔を見合わせてしまったものである。
実は、「クラウディー・スカイ・リッキー Tさんアレンジヴァージョン」が出てくる少々前に、Taさんがテラス席の注文であると思われる「生ハムサラダ」をカウンターに置いたのだが、それが何時までも運ばれぬままであったのだ。
そこへ、折良く(折悪しく?)H君が新たな注文を持ってくる。
「○番テーブル、※※と、△△です」
「じゃあさ、それは私がやるから、先にこれ持って行ってくれる?」
「えーと、これは・・・・・・」
「こっちの伝票でしょう。だから、▽番のテーブルに・・・・・・」
・・・・・・ようやく「生ハムサラダ」がテーブルから離れた。
誤解を招かぬよう申し上げておくと、この「生ハムサラダ」がカウンターに置かれてから、新米君もH君も数度注文の品を調えたりメニューを持って行ったりとカウンターのところには来ているのである。そして、Tさんはそれをハラハラしながら見つつもカウンターを動けぬ(何せTaさんがフードメニューを調えに奥に入りっ放しであるので、Tさん自身はドリンクメニューを調える為に待機して居らねばならぬ)ので、自分が持って行く訳にはいかなかったのだ。故に、この「生ハムサラダ」はカウンターに置いてあるままになっていたのである。
こういうときには、入ったばかりの面々で動くことの難しさを感じる。もしもこれが多少なりとも慣れたMちゃんやAちゃんやS君ならばついでに一寸、と運ぶことも出来たであろうが、未だ入ってから2〜3ヶ月のH君や新米君にそれを求めるのは酷であろう。仕方の無いこととは申せ、その辺りが何とかならぬものであろうかと思ってしまったものであった・・・・・・閑話休題。

さて、一時出てきたかな・・・・・・と思いきやまたもや奥に籠ったTaさん、フードメニューも一段落したようで、ようやっと奥から出てきた。
「お代わり、いきます?」
気が付くと、グラスは空であった。
「じゃ、お願い」
「何にしましょう?」
「・・・・・・思いつかないんで、適当に」
また“モノグサ”の癖が出た。
尤も、『ハーフェン』の場合TさんもTaさんも私の好みを知っているので心配は全く無い。
10.6「ブルーベリーリキュールのオリジナル」そこで、Taさんが作ってくれたカクテルがコレである。
「コレは、何ですか?」
「名前は無いんですけど・・・・・・ブルーベリーのリキュールと、コレは色が出ないんでこちら(ブルーキュラソー)を入れて、あとはサッパリ系の味に作ったオリジナルです」
このカクテルを口にして、驚いた。
このブルーベリーのリキュール、もの凄く香りが立つのである。飲み口はサッパリと優しく、立ち上る香りが体の隅々まで染み込んでいくかの心持ちすらする。そして、ほんのりと有るか無きかの甘みが疲れを癒す。
「いや、これ、美味しいですねぇ!」
と、思わず口にしてしまったものである。未だ名も無きカクテルというのであれば「Tenderly」とでも呼んでしまおうか。

そして、前記事では書かなかったが、先のTさんの「クラウディー・スカイ・リッキーアレンジヴァージョン」と言われたカクテルも、実を言うと結構美味かった。これもまた飲みたいと思ったカクテルであったことに違いは無い。
これを出されたときには“アレンジヴァージョン”と言われてしまった故にそれ以上は話が進まなんだが、もしも名を付けるとすれば「Feel easy」と言ったところであろうか。

「僕、昨日誕生日だったんですよ」
「あら、そうですか。おめでとうございます」
「25(歳)になりました」
「ほう」
「四捨五入すると30(歳)ですよ。いやぁ、年は取りたくないもんですねぇ・・・・・・」
確かに忙しかろう。
今日も、奥に入ってはフードを調え、終わると一散に注文の品を運び、、一寸でも手が空けば呼び込みをし、コマネズミの如くに動き回り働き回り・・・・・・が、未だ20歳代半ばで言う台詞でもあるまいに。
隣りで聞いていた年上(そう言えばこの人も四捨五入すれば30歳であった)のTさん、これを聞いて思い切り苦笑をしていたものであった。
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2007年10月18日

やさしさの、ひととき(其の参)

19:00からの「クルーズ」は、無事に終わった。
生憎の曇天とて“星空”を見ることは叶わなかったが、その代わり“夜景”はたっぷりと堪能したものである。また、同行の方や、ご一緒させて頂いた方とたっぷりとお話をすることが出来、これもまた多いに楽しんだものであった。

さて、「クルーズ」を終え、同行の方は『ヴィノテーク』へと向かわれ、私は『カフェ・デ・ハーフェン』へと“飲み直し”に向かった。途中、『アムステルフェーン』の前の屋台傍に差し掛かったとき、人込みを掻き分けて進む途中、屋台の前に居たスタッフとバッタリ接近遭遇(しかもバッチリ目が合ってしまった・・・・・・あせあせ(飛び散る汗))し、言葉に詰まった私の口から咄嗟に出たのはこともあろうに
「只今」
のひと言。相手も一瞬ウッと言葉に詰まったのがこちらにもありありと見て取れたが、テキもさるもの、
「お帰りなさい」
と、言葉を返した。いずれお目に掛かった折には非礼を詫びたいとは思うが、どちらの所属のスタッフかは終ぞ分からず・・・・・・。

それはともかく。

戻ってきた『ハーフェン』は、先程とは打って変わってゲームを楽しんだりカウンターで談笑する客がそちこちで見られた。そこで、いつもの席によっこらしょと腰を下ろすと、カウンターの向こう側から私を呼ぶ声が・・・・・・。
誰かと思ってそちらを見ると、そこにはここ『ハーフェン』でよくお会いする『パサージュ』内の『K』のお2人が私を呼んでいる。昼にも実はお会いしていたのであるが(そのときは先方は当然仕事中、私は客、その割にはペラペラとよく喋っていはしたが)、折角なのでとそちらへ席を移動する。
「どうも昼間は」
「こちらこそ」
と、話を始める。

時期も時期とて、話題は先ず「サンヴァンサン祭」から始まった。
「サンヴァンサンにはもう行ったんですか?」
「今日はね・・・・・・『RIN』やら何やらで行って無いんですよ。取り敢えず「タートヴァン」は買ったんですけど」
「あ、そうなんですか。で、当然買ったのは・・・・・・」
「ま、「ゴールド」の方ですね」
「やっぱり」
「そりゃ、折角ですからね」
「で、明日は勿論行かれるんですよね」
「そりゃ、まぁ。どうせならゆっくりと飲めるときに行きたいですからね」
ここまでは、主に話し相手は店長さん。すると、隣りの女性の方が
「そうなんですか。じゃ、私と明日会うかもしれませんね」
「あれ?明日は「サンヴァンサン」の方へ??」
「そうなんです。私、明日お休みなんですよ」
「へえ。じゃ、ゆっくり出来ますね」
するとまたもや隣りの店長、
「信じられます?この連休の最中に休みをとるなんて」
と、茶化す。これに口を尖らせて
「お休みが欲しいとは言いましたけど、連休の真ん中とは言って無いですよ」
と、少々膨れる。
「明日はメイン会場の方に、オトコ引き連れて来ますよ」
と、すっかりからかいモードであったのだが、そこへ『按針』のスタッフが、『K』のお2人にお知り合いがいらっしゃることを告げに来た。
「じゃ、そっちの方へ行くかなぁ・・・・・・すみません、それじゃ、これで」
「はい、それじゃまた」
「明日、「サンヴァンサン」でお会いしましょうね」
「ええ、本当にお会いできるといいですね」
と、お2人は連れ立って席を立つ。

10.6「ブルーハワイ」この間に、Tさんがカクテルを作ってくれていた。
「先刻「スプモーニ」飲んだって聞いたから色を変えて・・・・・・」
とのことで、出てきたのがこのカクテル。青い色で、味はパイナップルやレモン等々・・・・・・と来ると、これは「ブルーハワイ」のアレンジ版であったか?酸味が程好く効いた私好みのカクテルであった。

このカクテルは、お2人と話をしている間に無くなってしまっていた。そこでTさん、見慣れぬボトルを取り出す。
「○○さん、「スロージン」って御存知ですか?」
「いや、聞いたこと無いけど・・・・・・」
「コレがそうなんですけど、スモモを漬け込んだお酒なんですよ」
「ほう」
「それでですね、前に外国のお客さんにこのボトルを見せたら、その方がコレに使うスモモを栽培してる方だったんですよね」
「ありゃま。そらまた奇遇だねぇ」
「そうなんですよ。コレ、飲んでみます?」
「うん。じゃ、それで何かお願い」
10.6「クラウディー・スカイ・リッキー」アレンジヴァージョン・・・・・・という訳で出てきたのがこのカクテルである。
「コレは、何?」
「コレはですね、「クラウディー・スカイ・リッキー」っていうカクテルがあるんですけど、それのアレンジ版です」
何だかんだと言いながら、この人の引き出しも決して少なくは無い。そして、最初の頃は兎も角、最近ではディーラーとしてゲーム台の前に立つことが少なくなり(代わりに最近ゲームを取り仕切るのはバイトの面々である)、いよいよもって女性“バーテンダー”として磨きが掛かってきたようで、次から次へと面白いものを出してくる。
これは、甘酸っぱさが面白く、そして思いの外美味いカクテルであった。色も綺麗であるし、それ程アルコールも強くない・・・・・・となると、女性客に多いにウケるのではないかと思われた。丁度胃を悪くして病院に通っていた(のであるが、このとき『ハーフェン』の面々はそれを知らなかった。今回のカクテルは、全て偶然の賜物である)私であるから、胃にやさしい程度のアルコールを喜んでいたものであった。

丁度店長のTaさんが目の前に居る。Tさんはそのすぐ隣に位置している。そこへ、ルーレットの客の相手を終え、バイトのH君がカウンターに入ってくる。
今まで切り出すことが出来ず、私は手元を持て余していた。
ここの灰皿は、カウンター入口のすぐ近くに積んであるのを以前から見ている。
「H君、灰皿取ってくれる?」
ここでTさん、プッと吹き出し、そのまま可々と笑う。
「○○さん、何もわざわざ遠くのニンゲンに言わなくても・・・・・・解りますけど」
目の前のTaさんが、何も言わずに灰皿を出す。
心なしか仏頂面のようにも見える。
「ま、偶には良いっしょ」
面倒なので訂正はせずにおいた。
この“解りますけど”の言葉は、後程に思いも寄らぬ形で立証されることになる。
posted by daydreamer at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | Cafe・De・Haven Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月17日

やさしさの、ひととき(其の弐)

『アムステルフェーン』前を通り過ぎ、そのまま自転車で『パサージュ』へと向かい、『グリッター』で用事を済ませると、時刻は既に18:00を回っていた。
この日は、19:00より「星空&夜景クルーズ」の予約をしてある。これが終わるのは20:00に近い時刻である為、ぼやぼやしていると夕食を摂り逸れる。が、昼に食した『ロード・レーウ』の「チーズフォンデュ」が未だ腹の中に残っている心持がする。

そこで、いつものことながら『カフェ・デ・ハーフェン』で何か軽く腹ごしらえをすることにした。
自転車を『アムステルフェーン』の入口に付け、そのまま中に入って『ハーフェン』のドアをくぐる。
「いらっしゃいませ」
の声で、迎えてくれたのは店長Taさんである。オレンジ広場のステージは、今やたけなわの盛り上がりを見せており、その所為かテラス席の方が満杯で、バイトの面々はテラス席のあちこちを飛び回っていた。
「こんばんは」
「今日は、何に致しますか?」
「そうですね・・・・・・この後クルーズの予約が入ってるんで、何か軽いものを。あと、軽く食べて行きたいんですけど」
「畏まりました。食べ物は何にします?」
「そうですね・・・・・・」
と、フードメニューを引き寄せてしばし思案にふける間に、テラス席の注文を携えてバイトのH君が店内に入ってきた。
「あ、こんばんは」
「はい、どうも。久し振りだね、H君」
八重歯を覗かせ、ニコッと笑うH君。そのままオーダーを通し、先ずはビールを注ぎに掛かった。Taさんもチップスや枝豆を手に、奥から出てくる。私も、軽めの夕食として「生ハムサラダ」を
「ドレッシング少なめで」
と、注文した。

10.6「生ハムサラダ」・・・・・・ということで、出てきたのがこちらの「生ハムサラダ」。玉葱のマリネを中に盛り、その上にこれでもかとばかりに生ハムが乗せられてある。
以前これを食した折には、ドレッシングの油がしつこいと感じてしまった私であるが、今回は申し訳ばかりのドレッシングにして貰ったので、生ハムやマリネをダイレクトに味わうことが出来て満足したものであった。これは、今後もこの注文でいきたいと切に思ったものであった。

10.6「スプモーニ」そして、このときに一緒に出てきたのが、この「スプモーニ」である。
少々塩気の強い生ハムや酸味の効いたマリネを、この「スプモーニ」が上手い具合に中和し、双方の味を引き立てあっていたものである。

「スプモーニ」と「生ハムサラダ」を食し始めた頃、再度H君が店内に入ってくる。
「そう言えばさ、今日はS君いないの?」
「S先輩ですか?今日は19:00頃からの出勤です」
「あ、そうなんだ。いえね、この間S君にコレ見せるって約束しててね・・・・・・」
と、またも出したのは例の『るるぶ』。Tさんの若かりし頃の写真が掲載されているアレである。
折角なので、該当のページを開いてH君に見せる。
「・・・・・・これ、誰だか判りませんね」
「もう7年も前の写真だからねぇ。ま、よく見ると目元なんかは確かにTさんだって判るよ」

取り敢えず写真を見せたところで、何となく背筋にゾクリと来るものがあり、急いで『るるぶ』をしまう。ひと息、ふた息置いたところで、思いもよらず当のTさんが店内に入ってきた。
「あ、○○さん!“後で来て”って言ったじゃないですか!!アタシ、今日は『パロット』の助っ人なのに」
「どうせまた来るよ。これから私、クルーズあるし」
「あ、そうなんですか?」
「そうそう。今は一寸夕食を貰いに来ててね」
「これですか?こんなんじゃ夕食にならないじゃありませんか」
「(どこかで聞いたような台詞を・・・・・・)ま、今日は昼に一寸食べ過ぎてるからね、こんなもんで丁度良いかな、って」
「そうなんですか」
「うん」
どうやら『パロット』で足りないものを取りに来たかの如くのTさん、慌しく必要なものを揃えると
「じゃ、本当にまた後で来てくださいね」
と、『ハーフェン』を急ぎ足に出て行く。
「珍しいね。『パロット』なんて」
「いや、『パロット』には結構応援に行きますよ」
と、これはTaさん。
「・・・・・・って言うかさ、私がいるときには『パロット』営業してるの見たこと無いんで」
「あれ?そうですか??」
「そらそーよ。私、そうしょっちゅう居る訳じゃないでしょ?関東から来るんだし」
幾ら何でもそれを忘れている訳ではあるまいな。

あれやこれやと話しつつ飲みつつ食しつつ・・・・・・目の前の食べ物と飲み物が無くなったのは、18:30を少し回った頃である。
「じゃ、一旦クルーズに行って来ますね」
「はい、じゃ、後でお待ちしております」
「で、お勘定は?」
「後で結構ですよ」
「そんなコト言って、私が踏み倒したらどーすんのヨ」
「ま、大丈夫でしょう。そんな心配はしてませんよ」
相も変わらず涼しい顔で太っ腹なことを言って、本当に私が踏み倒したらどうする積りなのであろう・・・・・・たらーっ(汗)
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2007年10月16日

やさしさの、ひととき(其の壱)

よ、ようやく・・・・・・“書きたい記事”へと到達することが出来た。誠に、めでたい限りである。
無論のこと、みなさまには“書きたい記事”が何であるかなどお判りであろう故、一々弁じたてることなどはせずにおこう。

・・・・・・それは、『The Life Spa RIN』の「フェイシャル ベーシック」の施術を受けた後のこと。

いつものホテルにチェックインし、いつもの部屋に落ち着くと、あまりに寛いでしまった為かドッと疲れを覚えた。そこで、持参の部屋着に着替え、ベッドにゴロリと横になると同時に浅い眠りについたものである。
そのまま眠ること1時間半とちょっと。

目覚めたのは、オレンジ広場から聞こえるヴァイオリンの音色であった。この日は「SASEBO 99 MUSIC FESTIVAL in HUIS TEN BOSCH」の初日であったので、17;00よりトップのヴァイオリニストが演奏を始めていたのである。
ヴァイオリンの演奏は、さだまさし氏のヴァイオリンを聴いて以来、結構楽しんで聴くようになった私である。このときもヴァイオリンの音色に惹かれたかの如くにいそいそと着替えて外へと向かった。

オレンジ広場には、数十名の観客が或いは椅子に座り、或いは立ってステージを見詰めていた。私も、舞台の見える位置を探しながら居場所を確保する。
ヴァイオリニストは、女性の方であった(お名前を失念してしまったのが返す返すも心残りである・・・・・・)。
途中、東欧のダンサーやヴァイオリニストとの共演もあり、無論そちらも多いに楽しんだのであるが、矢張り圧巻であったのはラストに演奏された「オーロラ」と題された曲であった。目を閉じると、未だ実際に見たことは無いが写真や映画で幾度も見たオーロラが目の前に舞い踊るかの如くのスケールの大きな曲調である。聞けば、かの宮崎駿監督もこの「オーロラ」を聴いて『ゲド戦記』の挿入曲を依頼し、また、『ジブリの森美術館』に流れる曲をも依頼したのだとか。
圧巻の演奏を聴き、最後には観客から大きな拍手が沸き起こった。私も、痛む手ではあるものの精一杯の拍手をした。

その後、レンタサイクルでも借りようかと『パラディ』に向かった。
この会場からならば、デッキを突っ切るのが一番早い。
そこで、デッキをテクテクと歩き出すと、突如
「○○さん!」
との声がする。驚いて右を向くと、現在(確か)『ムーンシャワー』に在籍するMちゃん(7月まで『カフェ・デ・ハーフェン』に居た元気の良いバイトさんである)が屋台の柵を飛び越えてこちらへ来たのである。
「おー、久し振りだね」
「はい、お久し振りです」
ニコニコするMちゃんの勢いに、私はただただ圧倒されるばかりである。僅かな世間話の後でMちゃん、
「○○さん、後で何か飲んでってくださいよ」
「じゃ、今貰うよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
と、ドリンクをとりあえず1杯貰った。・・・・・・尤も、それを作ったのは屋台にもうひとり居た男性スタッフである。Mちゃんに
「アンタ出来るでしょ?作んなさいよ」
と勧めたのであるが、彼女は頑なに
「今は私作る係じゃありませんから!」
と、のたまう。
まだまだ暑い日であった。ドリンク1杯飲み干す間にビールがどんどん売れていく。Mちゃんも、何のかのと走り回って忙しそうである。それを横目で見ながらカップを空にし、
「じゃ、ごちそうさん」
「あ、ありがとうございました」
と、その場を離れる。

さて、18:00には少々早かったのであるが、『パラディ』でレンタサイクル(オーバーナイト)を借りる。
それほど幾度も借りてはいないと思うのであるが、私が顔を出すと『パラディ』のスタッフは
「あ、自転車ですね?」
と、すっかりお馴染みさんである。お蔭で、最近は自転車の説明もろくにせず、
「もう解りますよね?」
「オーバーナイトは初めてなんですけど・・・・・・」
昼との違いを口頭で説明するのみ。それは、まぁ、鍵の掛け方などを今更説明されても確かに当惑するだけではあるが。

ともあれ、無事に借りたレンタサイクルを駆って『パサージュ』へと向かう。
途中、『アムステルフェーン』前に差し掛かると
「○○さん!」
と、またもや私を呼ぶ声がする。これもまた驚き、自転車を止めて声のした方を向くと・・・・・・嵩図らんや、走り出てきたのは『カフェ・デ・ハーフェン』のTさんである。
「はい、お久し振り」
「○○さん、後で『ハーフェン』へ来てくださいね」
「はいはい」
「後でね〜」
「あいよ」
多少距離があったこととて、双方とも怒鳴りはしないが大声での会話であった。道行く多くの客は何事かと訝しんだものであろうな。
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2007年08月10日

新しき顔を迎えて(其の漆)

・・・・・・目覚めたとき、既に他の客は見えなかった。僅かに、ルーレットに興じる人影があったばかりである。
(ちなみに、この折のディーラーはTさんが務めていた)
ふと、携帯を手元に引き寄せて時間を見た。
唖然とした。
ブラックジャックを終えたときからきっちり2時間が経過していたのである。
「こんなうるさい中、よく寝られましたねぇ!」
S君が、呆れたように私に声を掛ける。そのときのS君、間もなく閉店とあって、H君と並んで洗い物をしていた。
「うん・・・・・・そうね・・・・・・」
と、こちらは未だ夢の中。
「○○さん、ピクリともしませんでしたよ」
「そう?」
「はい。あんなに音楽がガンガン鳴ってたんですけどね」
そう言えば、短時間とはいえ、彼の如く熟睡したのは久し振りのことであった。

最近もそうであるが、この頃、どうもよく眠れぬことが多い。人にあれこれ聞くままに照明を段階的に落としたり、ぬるめの風呂にゆったりと浸かったり、寝る前に喉を潤すのを控えてみたりするのであるが、それでもかっきり2時間毎に目が覚める。そして、目が覚めた後は、どう頑張っても寝付くまでに1時間以上の時間を必要とする。故に、慢性の睡眠不足になり、何かの拍子に意識を失うかの如く眠ってしまう・・・・・・「電池切れ」と称する所以である。
尤も、「電池切れ」を起こすのは、安心が出来て寛げる場所に限られる。例えば職場などでは、立っては居れぬ程の疲れを覚えても「電池切れ」を起こしたことは、嘗て無い。・・・・・・ということは、『カフェ・デ・ハーフェン』は、自宅並みに寛いで我儘を言うことが出来る貴重な場であるとも言えるであろう。

化粧室に立ち、勘定を済ませる。何だかんだと飲み続け、300$(¥5,000)のチップまでもを購入したのであったが、それでも勘定は5桁には僅かに届かなかった。1度で良いから、この“安過ぎる”とあちこちで称されるバー『カフェ・デ・ハーフェン』で5桁の勘定を払ってみたいものである。これは、次回の10月の帰国での課題であろう。

荷物を持ち、半ばフラフラになりながら出口に向かう。すると、ルーレットのベルの音がはたと止み、Tさんがトコトコッと駆けて来た。
「○○さん、大丈夫ですか?」
「多分。もう、寝るね」
「はい、お休みなさい」
そのまま、ホテルに戻って就寝。

それにしても・・・・・・今回は随分と心配を掛けてしまったものであった。これについては、重々反省をしている。
あれから、またも粥とうどんの日々を過ごした。まだ薬は手放せぬが、胃の痛みは幾らか治まってきたので、現在は普通食に切り替えている。熟睡出来ぬ日々は相変わらずであるが、それでも、以前より、眠りの間隔は徐々に長くなって来たように思う。
次の10月の帰国の際には、ゆっくりと心配を掛けぬように飲まねばならぬであろうな。・・・・・・と言っても、深酒の度合いは2月の“記憶を無くした”京都の方に軍配が上がるような気がするのであるが。
posted by daydreamer at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | Cafe・De・Haven Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月08日

新しき顔を迎えて(其の陸)

思いは、ままならぬもの。
背後で
「ブラックジャックを・・・・・・」
と、ご希望の方の声を聞いた。するとTさん、
「○○さんもブラックジャックどうですか?」
「え〜、アタシもやるの?」
「はい。新人がディーラーやるんで、○○さん、揉んでやってくださいよ」
との仰せである。
「よか!それだったら勘定5桁に乗せちゃる!!」
・・・・・・とは流石に言わなかったが、その積りで300ドルのチップ(¥5,000分)を購入してブラックジャックのテーブルに付き、ゲームを開始する。が、私はそのとき既にしこたま飲んでいる酔っ払いである。バッグと手元の酒を運んだのであるが、酒のグラスは無事だったもののバッグは隣の席に置いた・・・・・・と思ったら振り落としてしまう有様であった。

「あ!先日お会いしましたよね?」
の声にふと顔を上げると、昨年の7月(『カフェ・デ・ハーフェン』がリニューアルオープンして初めて入店した折)にブラックジャックをご一緒した方々である。
「はい、どうも、お久し振りです」
と、こちらもご挨拶を返す。縁は異なもの味なもの、こういう偶然があることに、こちらも嬉しくなる。
あれやこれやのうちに客の席が決まり、ゲームが始まる。

先ず、カードをシャッフルしてセットし、最初の5枚を並べ、お決まりの
「カードの流れを・・・・・・」
の台詞。この辺り、前月のS君よりもきちんと覚えていたようである。が、何せ新人のすることである。視線は常に下を向き、必死の表情は覚えていることをこなすのに精一杯、という風情である。・・・・・・尤も、酔っ払いのあやふやな記憶であるから定かでは無いが。
カードが配られる。
ここで、この酔っ払い(私のことだが)は、ボケッとしてついつい普段の癖を出してしまった。何事かと言うと“考えごとをするときにテーブルをトントンと叩く癖”を出してしまったのである。
実は、これはブラックジャックの決まりごとで「ヒット(カードを貰う)」という合図である。そのとき、私の手元のカードが示した数は「18」。「21」に如何に近づけるかというゲーム、しかも「22」以上は「バースト(負け)」の手であるので、一瞬カードを貰うか貰わないか躊躇した際にテーブルをノックしてしまったものと思われる。
(酔っ払っているときの私の行動は、素面の当人でも意味不明である。お蔭で要らないものが部屋に溢れ、思いもよらぬ領収書が手元にあったりするのである。・・・・・・流石に知らない部屋で目覚めたことだけは無いが・・・・・・閑話休題)
あっと思ったときには遅かった。既にもう1枚のカードが配られていた。
「あ、ゴメン、要らないんだけど」
「それ、ヒットの合図ですよ」
「そうだけど、ゴメンね、本当に要らないんだワ」
無言でスッと手が伸び、出したカードを引っ込める。それじゃ、まぁ・・・・・・といった状態の仕草である。
流石にこれでは仕方が無いと、必死でカードを注視し、ゲームに集中するようにした。いつもの状態とは正反対である。が、これは致し方あるまい。
ゲームは、愛想の無い(というよりも愛想を作る余裕が無い)ディーラーH君の下、淡々と進んでいった。こちらも、勝ったり負けたりを繰り返す。が、こういった状況であるので、段々に睡魔が襲ってきた。心なしか、その数日前から悪かった胃も(実は少々の血を吐いてから1週間も経っていなかったのであるが、コレを隠して飲んでいたのである。故に、この状態は自業自得以外の何物でも無かろう)悲鳴を上げているような気がする。
その為、申し訳無いが1クールでゲームを降りさせて貰った。荷物を戻し、そのまま化粧室に駆け込む。
「大丈夫ですか?」
と、ドアの外で心配そうなTさんの声。

いつもの席に戻り、S君にウーロン茶を出して貰う。Tさんも、心配そうに水のグラスを用意してくれていた。
「大丈夫ですか?」
「まぁ、ね・・・・・・」
あのときのTさんの表情から察するに、私の顔色は少々悪くなっていたのやも知れぬ。
「○○さん、Tさん」
の声にふと顔を上げると、向かい側の席にT会長が座っておられるのが見えた。
「あ、どうも」
と頭をちょこんと下げたが、それが限界であった。
気が付かぬうちに、私は、前月に続いて眠りこけていた。
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2007年08月05日

新しき顔を迎えて(其の伍)

『カフェ・デ・ハーフェン』に戻ったときには、既に花火が終了しており、夜の名残を惜しむ客が思い思いにテーブルやカウンターに着いていた。店内は先程のしんとした様子が嘘であったかの如く、活気に満ち溢れていたのが印象的であった。が、テラス席の客は居なくなっていたようで、先程の如くの慌しさは為りを潜め、スタッフ達も決して暇そうでは無かったが、走り回ることは絶えて無かった。
さて、いつもの席に・・・・・・と向かうと、そこには既に先客が。
「ゴメン、席取っちゃった」
と仰るのは、地元ハードリピーターにして『ハーフェン』店長Taさんが崇拝している(・・・・・・という言動がそちこちでみられる)旧知のMさんである。
(Tさんとの会話では「◇◇さん」というお名前で登場しているのがこの方である)
「いえいえ、どうも」
と返し、近くの席に着く。

「じゃ、これね」
「ありがとうございます」
と、先ずは受け渡しをする。何の受け渡しをしたかと申すと、この夏のモーレン会員限定の謎探しイベント「メガラニカの秘宝」のパンフレットである。これは、1000部限定の販売であった為に確実に入手できるか定かではなく、この日の帰国が決まったとお知らせした際に
「買っておかなくてよいですか?」
「出来たら買っておいてください」
「ゲットしました」
「ありがとうございます」
・・・・・・と、依頼をしておいたものであった。翌日は似非ライターに付き合って店舗巡りをせねばならぬ故、もうひとつ開催されている「宝探し」は流石に時間が無く断念せねばならぬが、こちらの「謎探し」だけは是非とも体験したかったのだ。
早速、パラパラと捲って内容の確認をする。ふむ、これならばそれ程時間も掛からぬであろう故、店舗巡りの合間にさっさと回ってしまえるであろう。
(そうは言っても既に酔いが回りかけていたので、細かな文字を追うのは些かしんどかったのであるが)
「じゃ、後でゆっくり見ます」
「それじゃ、こっちも見てみる?」
と、Mさん、ご自身が体験された「宝探し」のリーフレットを出して見せてくれた。3枚のリーフレットは、それぞれ初級・中級・上級の3種類である。
初級のリーフレットは、流石に“初級”というだけあって、大変に分かり易いものであった。が、中級と上級は、どちらがどちら、という難易度では無いような気がした。無論、中級の中級たる、上級の上級たる問題もあったのであろう。が、今回見せて頂いた問題に関しては、中級の方が明らかに上級よりも探し難いと思われる問題であったのである。
とは言うものの、これを体験されるであろう方々はこのテのものがお好きな方々であろう。ならば、多少問題の難易度を前後させたところで何ら支障は無かろうと思う。私自身、このテのものが好きな方であるので、今回の帰国の短さを残念に思ったものだ。
(・・・・・・という訳で、今から来夏の帰国計画(及び長崎市内への観光計画)を練り始めたものである。今年は仕事の都合で長期の帰国がままならぬ事態であったので・・・・・・閑話休題)
兎も角、このときの話題は「謎探し」と「宝探し」のことであった。他には、翌日の予定などをぽつりぽつりと話したことだけは覚えている。
さて、と時計を見たMさん、
「じゃ、そろそろ「ナイトカヌー」でも」
「あれ?「早朝カヌー」はしないんですか?」
「だって、ほら・・・・・・」
「あ!そうか、今日は日航(ホテル)でしたっけ」
そう、その日、急遽宿泊を決めたMさんは、場内ホテルの部屋を確保することが出来ず、已む無く日航ホテルに宿泊されていたのだ。尤も、私とて常宿を確保出来ず『ホテルヨーロッパ』に宿泊していたのであるから凡その状況は理解していたつもりであったのだが。
「うん、だから「ナイトカヌー」でね」
「成る程・・・・・・じゃ、どうもありがとうございました」
「こちらこそ。それじゃ」
と、Mさんは『カフェ・デ・ハーフェン』を出る。

此処で一旦手を洗いに立ち、席に戻ると、何故かTさん、青い顔をしている。
「○○さん、◇◇さんの直電かメール知りませんか?」
「分かるけど・・・・・・どうしたの?」
「今日『ムーンシャワー』貸切ですよね」
「そうだったね。先刻『グラン・キャフェ』に行く途中で案内見たっけ」
「だけど私、『ムーンシャワー』のご案内しちゃったんですよ!」
「あー、分かった。んじゃ・・・・・・」
と、電話を入れてみるが繋がらず、メールにて
「本日『ムーンシャワー』貸切」
の連絡を入れる。折り返し、Mさんより
「「ナイトカヌー」の予定が流れ流れて『シェヘラ』に」
と、返信が届く。それをTさんに見せると
「済みませんけど○○さん、◇◇さんに「申し訳ありません」って言って貰えますか?」
「何で?」
「『ムーンシャワー』のご案内をして予定を狂わせてしまったから・・・・・・」
Tさんのこういう表情は、実は初めて見た。先月の『ヴィノテーク』のNさんの“泣きそうな顔”に負けず劣らずの“泣きべそ顔”である。
が、当人は至って真剣である故に茶化すのも憚られ、
「はいはい」
と、再度メールを送る。が、返信はこの「申し訳ありません」が何のことやら解らずキョトンとしたMさんの表情が見えるが如くのもの。
「返信来たよ。・・・・・・だって」
「じゃ、『ムーンシャワー』のご案内をしてしまったから、って・・・・・・」
「それじゃさ、悪いけどTさん、自分でメール打ってくれる?」
流石にそろそろ酔いが目に来ている。文字を追うのも既にしんどくなってきて久しい。不安顔のTさんには悪いが、これは自分で言いたいコトを打って貰った方が早いであろう。
そこで、返信の画面を呼び出し、携帯をTさんに渡した。Tさん、一心不乱に携帯でメールを打ち、送信をしてようやくホッとした様子。そうは見えぬことも多々あるがこのヒトも接客業にありがちな“気にしい”の性質であるので・・・・・・。

ここで、私も同様に肩の力が抜けた思いがした。すると、それ迄抑えていた酔いがドッと回ってきた。眠気と疲れが私を襲って来たので、先日の如くの「電池切れ」を起こしそうである。そこで、静かに飲んで時を過ごすことにしようと決め、グラスの酒(最早何杯目であったかなど定かではない)を啜り始めた。
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2007年08月04日

新しき顔を迎えて(其の肆)

「それにしてもさぁ、この「枝豆」、幾ら何でも勘定“ドンブリ”じゃない?」
「そうですか?」
と、些か不安げな顔のTさん。
「そうでしょうヨ。こんなに量多くてワンコイン(¥500)なんだもん。これだったら¥700〜800取っても良い位だよ」
「あ、そっちの“ドンブリ”ですか」
「・・・・・・アンタ、どっちの“ドンブリ”考えてたの?」
「いや、高過ぎるって言われるのかな、と思って・・・・・・」
そのようなことを私が此処『カフェ・デ・ハーフェン』で言う筈があるまい。そもそもの勘定が安過ぎると常々あちこちで言いまくっているというのに・・・・・・。

さて、Tさんと入れ替わるように、S君が店内に戻ってきた。H君もようやく手が空いた様子。そこで、S君・H君との会話が始まった。
「ところで、H君、幾つ?」
「18(歳)です」
「18?じゃ、未だ1年生?」
「はい」
「で、大学はやっぱり・・・・・・」
「近くのN国際大です」
「で、出身はどちらで?」
「S先輩と同じ福岡です」
「そうなんだ。ところで、S君幾つだっけ?」
「俺は21です」
「あれ?んじゃ、3年?」
「そうです」
「アンタ、就活どーすんのヨ」
「俺は優秀ですもん。他と違って」
「アンタも言うねぇ・・・・・・。で、どの辺り考えてるの?」
「俺は、地元オンリーです。福岡しか考えて無いですね」
「あ、そ。・・・・・・んで、間に合うの?」
「うーん、未だ方向性が定まらないんですよねぇ・・・・・・」
・・・・・・って、そんなにのんびりしていて間に合うのだろうか?
バイト先にそのまま就職したTさんの例など参考にはならぬであろうし。

「ところでさ、アレ、誰の仕業よ」
「俺がしたことにケチつけるんですか?」
「別にいいけどさ。前は立たせてあったよね」
何の話かと申せば、『グラン・キャフェ』のMバーテンダーが置いていった「シャア専用ザク」のフィギュアの話である。ガンダムオタクのMさんは、『カフェ・デ・ハーフェン』から『グラン・キャフェ』に異動するにあたり、何をトチ狂ったか所持しているフィギュアを持参して飾っていったのである。
「前はあそこ(と、棚の空きスペースを指す)に置いたんですけど」
「うんうん」
「いつの間にかそっち(とフィギュアが置いてある缶の上を指差す)に移されてたんですよねぇ・・・・・・」
さもあらん。
ボトルを動かしたり探したりする際に、空きスペースは誠に貴重なものである。そんなところに邪魔なアンナモノを置いていてどうするのだ!
尤も、これらの会話は全て“冗談”の範囲である。この程度では双方に険悪な雰囲気なぞ生まれることは無い故、何時ぞやの如くの喧嘩になどなりようも無い。

話をしている最中、H君は全く口を挟まぬ。そこでS君、H君をしみじみと見て
「で、コイツ見てるとやっぱり恰好いいなぁ、って思いますよね」
「ま、そりゃね。だけどさ、S君も“イケメンディーラー”って言われてるところもあるよ」
「そうですか?」
「うん。私が来た翌週に女性の方が見えたでしょ?」
「はい、覚えてます」
「あの方、ご自分のブログに“イケメンディーラーに相手して貰った”って書いてたヨ」
「本当ですか?」
「うん」
まー、この話をした後のS君の喜んだの喜ばないのって・・・・・・。
が、この会話の最中もH君はニコニコ笑っているばかり。少しは会話に割り込むくらいの図々しさをS君やTさんから教わっておかぬとこれから先が思いやられる・・・・・・たらーっ(汗) でないと本当に“観賞用”になってしまうであろう故。

・・・・・・これが会話の“限界”であった。
「Fantomatico!」の2部が始まると、テラス席に落ち着いた客の注文が殺到する。再び、忙しくスタッフが走り回る。
「・・・・・・凄いね、注文」
「お代わり、割り込んで注文しないとしはぐりますよ!」
と、Tさん。こう言いながら、酒やつまみをひっきりなしに運んでいる。
これでは落ち着いて飲むことも出来ぬ、と、急いで残りの枝豆を頬張り、ひと口残しておいた「ボストンクーラー」で流し込む。
「いやはや、これはこれは・・・・・・じゃ、済みませんけど隣りのニイチャンをからかってからまた来ますね」
「あ、Mですか」
「そうそう。で、取り敢えずここまでのお勘定をお願い出来ますか?」
「いえ、また来たときで良いですよ」
と、Taさん。
「あれ?だって、先刻のテイクアウトの分もありますのに・・・・・・」
「構いませんよ」
「・・・・・・じゃ、お言葉に甘えて」
と、再び精算せずに『カフェ・デ・ハーフェン』を出、『グラン・キャフェ』へと向かった。
その後、先の記事(『“客”との触れ合い(其の壱)〜(其の弐)』の如くの時間を『グラン・キャフェ』で過ごし、花火の頃に三度『カフェ・デ・ハーフェン』へと戻ったものであった。
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新しき顔を迎えて(其の参)

「ところでさ、見たこと無い顔が居るんだけど」
「・・・・・・もう少々お待ちください。今、いっぱいいっぱいなんで」
この“いっぱいいっぱい”は、当然Tさんでは無い。新顔の方である。
そのとき、新顔はビールを用意していた。何杯も注いではカウンターに置き、それをS君とTさんが間を置かず運ぶ。奥に居るTaさんが時折ひょいと現れてはつまみの皿を並べ、それも間髪入れずに運ばれていく。
一段落つき、スタッフ全員がやれやれと肩を下ろしたところで
「H君、ちょっと」
「はい」
と、Tさんが新顔を呼ぶ。
「H君です」
「はい、よろしく」
「○○さん」
ペコッと頭を下げる新米バイトのH君。
「・・・・・・アタシの趣味で取った訳じゃないですよ」
と、Tさんが付け加える。
「そらそーでしょ」
と、こちらも返す。が、このH君、そうTさんが付け加えたくなるのはよく判る。何せ今までバーテンダーのMさんやらTaさんやらNさんやらIさんやらを見慣れた目には、このH君の“ジャニーズ系イケメン”がひときわ引き立って見えるのだ。
「目の保養ですよね」
と、Tさんがポツリ。こちらも、何も言わずに頷き返す。

「そう言えば、あのコもう来ないの?」
「M子ですか?今日はこっちには来ませんけど、居ますよ」
「あ、そ。んじゃ、これ、渡しといてくれる?」
「はい、お預かりします」
と、これも実はTさんのボールペン同様の“廃品利用”の土産を渡した。実はこれは・・・・・・
・ウチのイトコドノ(関西在住)がこちらへ遊びに来た。
・当然、イトコドノはT○Rに遊びに行きたがった。
・そのとき、丁度T○Sは「開業5周年」であった。
・故に、限定グッズが山程売られていた。
・イトコドノは、安価な土産を山程購入した。無論、私も手伝わされた。
・そして、その折の土産代は全て私の財布から出た。
・ところが、その土産が余った。
・イトコドノは、何を考えたかそれを私に送りつけた。
という経緯の元、私に手元に来た。しかも、送料込みで¥5,000を要求してきたのである。
これは、姪っ子に甘い父(イトコドノにとっては“優しい伯父ちゃん”)のひと言により、しぶしぶ“購入”したものである。が、私はこちらのグッズを全く好まぬ故、コンナモノが手元にあってもどうしようも無い。
そこで思い出したのが、ミ○○ー好きのMちゃんである。彼女ならば、自分で使うなり友達に配るなり如何にでもするであろう。・・・・・・という訳で、持参したのであった。

と、これをTさんに預けて後、Tさんがテラス席へと向かってしばらくすると、この様子ではもう顔を見ることはあるまい、と思っていたMちゃんが『ムーンシャワー』から来たのである。どうやら氷を貰いに来たような様子であったが・・・・・・。
「おー、久し振り」
「お久し振りです」
と、Mちゃんとのゴアイサツ。
「あのね、Tさんに渡しといたモノがあるんだワ。後で貰っときなさいね」
「はい、ありがとうございます」
・・・・・・今は唯“廃品利用”がMちゃんにバレないことを祈るばかりである・・・・・・
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2007年08月03日

新しき顔を迎えて(其の弐)

『ホテルヨーロッパ』からすっ飛んで歩いて『カフェ・デ・ハーフェン』に戻ると、店内には客は居なかったのであるが、マリーナ側に設えてあるテラス席はそろそろ埋まってきた様子であった。
いつもの席に腰を下ろすと
「ご注文は?」
と、Taさん。
「お任せします」
と答える、モノグサの私。

ボストンクーラーそこで、Taさんが作ってくれたのがこちらである。
「これは、何ですか?」
「「ボストンクーラー」です」
「ボストンクーラー」は、ラムベースのカクテルのひとつで、スタンダードカクテルのひとつである「ダイキリ」を炭酸系の飲み物で割ったかの如くのカクテルである。カクテルブックによると、使用する炭酸系の飲み物をジンジャーエールにしているものも割合に多いのであるが、今回のものはサッパリと苦も無く飲むことが出来たので恐らく普通のソーダ水で割ったものであろう。
「何か、おつまみでも如何ですか?」
「そうですね、頂きましょうか」
「では、こちらなど如何ですか?」
と、Taさん、店内のホワイトボードに掛かれたメニューを指し示す。
今一番のお勧めだそうで・・・・・・その“店内表示”がこちらである。聞くところによると、今夏の『ハーフェン』のお勧めはこちらの「枝豆」であるそうな。
「じゃ、それ、頂きましょうか」
「ありがとうございます」
と、Taさんは奥に引っ込み、程無く「枝豆」が出てくる。
が、この「枝豆」を見て、私は仰天した。・・・・・・というのも、量がこの値段にしては多過ぎるのである。
(『カフェ・デ・ハーフェン』の食器をご存知の方であれば、“チーズ盛り合わせの皿”に山盛りの枝豆、と申し上げれば何となくご想像が付くことであろう。ご想像が付かない方はどうぞ『カフェ・デ・ハーフェン』に足を運んでご確認あれ)
「・・・・・・ちょっとこれ、多いんじゃないですか?」
「いや、見た目程じゃないですよ」
と、涼しい顔のTaさん。
枝豆自体は、新鮮さや豆の甘さがサックリとした歯応えと共に感じられ、茹で加減や塩加減も良く誠に結構なものであった。その為、スタッフの面々と話をしながら飽きず食すことが出来たものである。が、矢張り量は格段に多い。食しても食してもなかなか減らぬ。さや入れにと添えてくれた小鉢は、何時の間にか山盛りになっていたのであるが・・・・・・。

そこへ、テラス席の客に注文の品を運んでいたTさんが戻って来る。
「○○さん、ブログのコピーは?」
「また持ってくるんかい・・・・・・」
取り敢えず、携帯で拙ブログを呼び出し、Tさんが初っ端に出てくる「移り行く〜(其の伍)」を表示して読ませてみた。が、丹念に文字を追う上、客の注文が次から次へと入るので(店内はガラガラであったのだが、テラス席は満杯になっていたのだ)出だしの部分しか読むことが出来ぬ。これは、次回には今回の文章と前回の分を含めてプリントアウトして来ねばならぬであろうな。
・・・・・・などと考えていると、また、テラス席から注文が入ったようである。
「この暑いのによく外で我慢出来るねぇ・・・・・・」
「初めて来られた方はそちらを選ぶんじゃないですか?」
と、Tさん。
成る程。確かに景色も良いし。

テラス席の注文を、Tさん、伝票に書き込んでいる・・・・・・かと思ったら、しきりにボールペンを振り、幾度も幾度も同じ伝票にペンを走らせている。とうとう、Taさんが胸元に差しているボールペンを借り、伝票の記入をしていた。
無論、事務所に行けばボールペンの5本や10本はあるであろう。が、このときは未だ営業が始まって其れ程間が無い時間帯である。客もそれなりに入っていることであるし、真逆にボールペンを取りに事務所へ行く訳にもいくまい。
ここで、ふと思い出した。
前回の帰国の際に、荷物にノートとペンケースを入れてしまった為、記録(殴り書き)が出来ぬので間に合わせに購入したボールペンが、バッグに突っ込んだままにしてある。セットで購入したメモ帳はそれなりに使用できるので重宝しているが、このボールペン自体は、既にペンケースも他のペンでパンパンになっている為に入らぬし、家にも山程ある故にもう要らぬし・・・・・・と、少々もてあまし気味であったのだ。また、このボールペンは、実はハウステンボスでそれこそ山程売っている「ブラウンミッフィー」のボールペンであるので、万が一再度欲しくなったとしても(自分の性格からして在り得ない話ではあるのだが)容易に購入が可能である。
「Tさん」
「はい」
「余ってるボールペン、確かバッグに突っ込んであるよ。やろうか?」
「良いんですか?」
「うん。使うトコ無くて放り込んであるヤツだし」
「ありがとうございます」
ゴソゴソとバッグを探り、ボールペンを取り出す。
「ほい、コレね」
と渡すと、Tさんの目が真ん丸くなった。
「え?こんな可愛いの、良いんですか??」
「うん。他にもいっぱいあるし、使い様無いのヨ」
「これ、中身(芯)換えられますかね?」
「そうじゃない?中身はフツーのボールペンと変わらないようだし」
Tさん、早速芯を取り出して確認する。
「ありがとうございます。大事にします!」
「・・・・・・まぁ、テキトーにね」
行き場が無くて邪魔者扱いにされていたボールペンは、無事、Tさんの胸元に納まった。これだけ喜んで貰えるのであれば、ボールペン自身も冥利に尽きるというものであろう。
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2007年08月01日

新しき顔を迎えて(其の壱)

今回のハウステンボスへの帰国は、本当に急遽決めたものであった。
・・・・・・というのも、今年の夏は一昨年同様に多忙を極めることが早くから予想された為、真逆に“夏の帰国”が実現するとは思いも寄らなかったのである。
が、もっと早くから予定していた『夏 広島から』が仕事の都合でキャンセルの憂き目に会い、となると何処にも今年の旅行の予定が無くなる為にそれも寂しく思ったので、前回の帰国の直後に、ようよう休みに出来る7月最後の土・日での帰国の予約を入れた。

その為、今回の予約は稀に見る取り難さに直面した。
先ず、何時もであれば何とか取れる“常宿”の部屋が満杯であった。故に、カスタマーズ・コンシェルジュに無理を言って奔走して頂いた挙句、ようやく『ホテルヨーロッパ』の部屋を確保して貰った。
そして、飛行機の予約も困難を極めた。何しろ夏休みの真っ最中である。何時もの朝の長崎行きはキャンセル待ちを掛ける猶予すら無かったので、やむなく夕方発の飛行機を取った次第であった。
お蔭で地元に居る間から暇を持て余し、銀座で買い物をしたり幾つかの駅を回ってJRが企画している「ポケモンスタンプラリー」のスタンプを集めたりなどしながら時間を潰し、飛行機に乗り込んだ。
長崎空港に着いたのは17:40。これでは、高速船はとうに便が無くなっているしバスを待てば到着時刻はとんでもなく遅くなることは必定である。そこで、タクシーを飛ばした。高速道路を使って一刻も早く、とハウステンボスに向かったのであるが、それでも到着したのは18:30を少し回っていた。
『カナルクルーザー』でユトレヒトへ向かい、降りたところで喉の渇きを覚えた。ここからならば、何時もの『カフェ・デ・ハーフェン』が近い。
そこで、『カフェ・デ・ハーフェン』へと向かうことにした。こちらにはテイクアウトのドリンクがあるので、取り敢えずそれを飲みながらホテルにチェックインし、再度入店すれば良いと思ったのだ。

てくてくと『アムステルフェーン』へと向かうと、入口付近の屋台の傍になにやら見覚えのある人影があった。近付いてみると、『ハーフェン』へ異動したバイトのS君の後姿である。おどけながら歩くS君の後ろに付くように歩を進め、『ハーフェン』の入口付近で立ち止まったところで
「暇そうだねぇ、S君」
驚く素振りも無く、くるりと振り向いたS君、
「いや、これからっスよ」
「あ、そ」
「じゃ、中にどうぞ。それともテラスですか?」
「うんにゃ、テイクアウトで先ず貰うワ」
「え?中に入っていかないんですか?」
「今着いたばっかりだもん。取り敢えずテイクアウトで何か貰って、チェックインして荷物置いたらまた来るよ」
「はい、じゃ、取り敢えず中に」
・・・・・・客は未だひとりも居なかったように思う。

「いらっしゃいませ」
と、迎えてくれるのは、紅一点となったバーテンダー&ディーラーのTさんである。
「はい、どうも」
「あ、こんばんは」
と、店長Taさんも顔を見せる。そして、カウンターの中には見慣れぬ顔もひとり。
「今日○○さんが来るの知ってましたよ」
「◇◇さんだろ」
「あ、判りました?」
とは、Tさんとのやり取りである。Tさん、こう言いながらテラス側の出口から外に出て行ってしまった。
「どうぞ席に」
と、Taさんに勧められはしたが、抱える大荷物が最早肩に食い込んでくる。
「いやいや、チェックイン未だなんですよ。喉渇いたんで取り敢えずテイクアウトで何か頂いて、荷物置いてからまた来ますから」
「あ、そうですか。では、甘いのにしますか?」
「・・・・・・甘いのは止めときましょうね」
「じゃ、サッパリしたので」
と、Taさん、新顔に何か言い、程無くプラスチックカップに入った「ジントニック」が出てくる。それを持ち、さあホテルに向かおうかというときにTさんが店内に戻ってくる。
「あれ?○○さん、行っちゃうんですか?」
「あのね・・・・・・この大荷物が見えんとや?アタシは今着いたの」
「あ、そうなんですか。お帰りなさい」
「只今・・・・・・って、何でや!」
双方、思わず吹き出す。

テイクアウトの勘定は、Taさんの計らいで
「こちらに来たときでいいですよ」
とのことであったので、「ジントニック」の入ったカップを持って大荷物を肩に掛け、『ホテルヨーロッパ』へと向かう。フロントに行ってチェックインの手続きをすると(今回は意外にも時間のかかるチェックインであった。お蔭でフロントに寄りかかりながら飲んでいたドリンクが待っている間に空になってしまったのはまた別の話で・・・・・・)、部屋に案内されるや否や荷物を解いて必要最小限の品を持参の小さいバッグに入れ、それを肩にエイヤと掛けて再び『ハーフェン』へと向かった。
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2007年06月28日

移り行く、されど、変わらぬ愛すべき・・・・・・(其の拾)

カウンターに戻り、グラスに残った飲み物を呷る。
最後の飲み物は、紅茶の味が濃厚にしていたことだけは覚えている。

そこで、何時からかカウンターに座っておられた方々(恐らく常連の方々であろう)と、ひと言、ふた言、短い言葉で会話を交わす。
■■から来ている、と言うと、矢張り何故かと問われたものであるが
「ゆっくりしたくてこちらへ来ているんですよ」
と言うと、
「そうだよな。やっぱりここは大人の場所だからな」
との言葉を頂いたものである。

やがて、閉店時間になる。
店内の客がぱらぱらとレジに向かい、店を離れる。
頃合いを見計らい、Tさんが伝票を手にこちらへ来てくれた。
そこで、会計を済ませる。
Mさんは、
「じゃ、また」
と、ひと足先に店を出られた。
翌日の船の時間を尋ねられたので訝しいと思っていたのであるが、翌日、案の定・・・・・・。
(今回驚かされたのは私では無かったが)

Tさんが釣銭を持ってこちらに来たので
「Tさん」
「はい?」
「ネタ、返して」
「あー!忘れてた。ウチのオブジェと化してましたよ」
と、笑う。
・・・・・・何かと言うと、この日『ニモニック』で購入した“私の”「ミニポスター」である。入店直後にTさんに見せると、あろうことかそれを店の棚(カウンターの出入り口のところにある、煙草を並べてある棚である)に飾ってしまっていたのである。
尤も、今迄散々昔の『るるぶ』で苛めてきたので、今日位は晒し者になっても良かろう(どうせ誰も気が付かぬであろう故・・・・・・)と放っておいたのであるが、流石にそれを置いたままにするのは忍びないので取り返したのだ。

カウンターの方々も既に店を離れた。
「ミニポスター」を仕舞い、身支度も済んだ。
最後にAちゃんともう1度話がしたいものだが・・・・・・と見ると、こちらは限が付かなかったようで、未だルーレットの前に客が居る。
これでは、幾ら最後とは言っても引っ張り出すわけにも参らぬ。
「ありがとうございました」
というTaさん、Tさんの言葉に送られ、海側の扉へと向かう。
階段に足を掛けたところで、ルーレット台のAちゃんに向かって手を振る。
こちらに気付いたAちゃんに、もう1度大きく手を振る。
名残を惜しみ、心を残しながら。

誰かの言葉や 時代の嘘で
その微笑やこころを 曇らせぬよう
君は君らしく 生き抜いてくれ
僕は僕のとおりに 歩いてゆくから
ON THE WAY
 僕等はいつでも 道の途中
ON THE WAY
 力の限りに 時の流れを生きて生きて

さよなら また会う日まで
さよなら 君に幸あれ

さよなら 君に会えてよかった
さよなら 君が好きでした

(さだまさし「道の途中で(ON THE WAY)」より)

夏の短夜を惜しみながら、オレンジ広場のデッキを歩く。
そして、ホテルに戻り、『ヴィノテーク』で締めの2杯。
話題は、今迄過ごした『カフェ・デ・ハーフェン』のこと。

『カフェ・デ・ハーフェン』が、リニューアルオープンして早1年余り。
創業時のスタッフは、これでTさんひとりとなったが、それでも、1年かかって5人で(・・・・・・と言っても店長Naさんはあちこちを行ったり来たりしていたので実質は4人で)作り上げた作り上げたあの空間は、例え人が変わっても容易に変わるものでは無い、と改めて知らされたような気がした。
私とて、確かにスタッフに馴染みが居たのが訪れる切っ掛けであった。
そして、この店に入り浸る訳を
「安いから」
「どれだけ飲んだくれても心配無いから」
と言い続けてきたが、それだけで開店直後から閉店ギリギリまで居座るなどということはすまい。

結局、私は『カフェ・デ・ハーフェン』が好きなのであろうな。
・・・・・・言葉にしたことは一度も無いが。

ご愛読に感謝を込めて
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2007年06月26日

移り行く、されど、変わらぬ愛すべき・・・・・・(其の玖)

「今日が初ディーラーなんですよ」
というS君に向かって右端の席(ディーラー席のS君から見ると左端、カードが最初に配られる席である)に腰を下ろす。グラスは持って来なかったのであるが、ふと気が付くとTさんがコースター毎運んで来てくれていた。S君がカードをシャッフルしている間に、Mさんも私の左隣の席へと移動をして来られたものである。

カードを切り、セットする。
先ずは最初に5枚、カードを公開する。
「これでちゃんとカードが切れてるかを確認するんですよ」
「違う!そこは“カードの流れを見てください”でしょうが」
(この突っ込みは私である。いい加減アルコールが入って口が軽くなった頃であったので、考えるよりも先に言葉が発せられたのだ)
「あ、そうでしたっけ」
「あのね・・・・・・それじゃ姐さんに怒られるぞ」
怒る、というよりも心配そうに見ているTさん。
ともあれ、ゲームが始まる。
この「ブラックジャック」というゲームは、Aが1か11、数字の札はその数字のまま、絵札は全て10とカウントし、如何に21に近づけるか、というゲームである。必然的にディーラーには咄嗟の暗算力が要求される。
「えーと、これは幾つだっけ・・・・・・」
と言うS君に、思わず指を貸してやりたくなる場面も度々。
はらはらしながら遠巻きに見ていたTさん、段々ディーラー席に近付いてくる。が、客の方が私とMさんであるので、適当にS君の初々しいディーラーぶりに付き合っていたものである。

そこに、新たにゲームに加わりたいと仰るカップル客が来た。
ゲームを知らぬと仰るこちらの客に、S君は当然ゲームの説明をせねばならぬ。
「え〜っと・・・・・・」
心配で心配で溜まらず、まるで母親の如くの表情をしたTさんがとうとうS君の隣りへとやって来た。が、S君は少々硬直したまま。
「は・・・・・・」
・・・・・・よせんかい!の言葉をやっとの思いで飲み込む。するとS君、くるっと私のほうを向き
「すみませんけど説明して貰えませんか?」
「何で私が」
「だって、確実に俺より詳しそうですもん」
待て!私は客だ!!ちっ(怒った顔)
この場は取り敢えずTさんの“指導”により
「じゃ、こちらのお客さんを見ていてください」
という台詞で落ち着いたのである。
(これは、以前Tさんも初めてプレイする客への説明に取った手段である。そして、そのときの“こちらのお客さん”も私であったことはご想像に難くあるまい・・・・・・)
それにしても、ここでプレイする「ブラックジャック」は、ローカルルールなのであろうが「サレンダーダウン」(プレイヤーが賭金の半額を支払って場から降りることが出来るというルールである。プレイヤーには圧倒的に有利になるのであるが、まかり間違えばサレンダーダウンばかりを連発するプレイヤーも居るので場が盛り下がることこの上ない)が無いので、他と比べて説明がしやすいのではなかろうかと思われるのであるが・・・・・・。

カード捌きは、練習の甲斐あってまずまずである。ゲーム運びも回を追う毎に慣れてきて、段々スピードアップして来るように見える。
元々、このゲームはS君の練習である。故に、「スプリット」だの「ダブルダウン」だのとこちらが出来ることは全て行う。
が、そこはそれ、矢張りディーラー初心者である。S君、ディーラーにブラックジャック(Aと10又は絵札の組み合わせ)が来たときにのみ
「インシュランスしますか?」
「アンタねぇ・・・・・・それじゃ手がバレバレでしょうたらーっ(汗)
「良いんです!俺、お客さんに勝って欲しいんです!!」
・・・・・・それではゲームにならぬ(面白くもへったくれも無い)のを早く理解して欲しいものである・・・・・・

手元の飲み物を飲み干すと、次々にお代わりが運ばれてくる。
が、酔いも廻ってきてい、カードを凝視している為に段々首が痛くなってくる。そこで、1ゲーム終わる度に首と背中を反らしてはいたが、それでも矢張り疲れが出る。
とうとう、ゲームの切れ目を見計らい、カウンターで煙草を吸いがてらひと休みした。
「疲れました?」と、これはTさん。
「一寸ね。それに、あそこで煙草を吸う訳にもいかないし」
「座って休んだらどうですか?」
「いい。すぐ戻る」
その言葉通りにすぐカード台へと戻り、新たにチップを$50(¥2000分)追加してゲームを続ける。S君も、最後の方ではいくらか余裕が出来てきた・・・・・・ように思われる。

やがて、『アムステルフェーン』の営業終了時刻が近付いてきた。ラストオーダーが終わった頃、S君も現在の所属の店舗(一体何処であっただろう・・・・・・『ムーンシャワー』であっただろうか?)に戻り、代わってTaさんがディーラーを務める(Tさんはとうとうディーラー席には立たなかった)。
こちらは、流石に落ち着いたゲーム運びである。ゲームは粛々と儀式の如くに進み(それもまたどうかとは思うが・・・・・・あせあせ(飛び散る汗))、ラストゲームが終了した頃には、早、閉店時間が間近に迫っていた。
posted by daydreamer at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | Cafe・De・Haven Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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